過去問や予想問題を収録した赤本・青本・紫本・入試の軌跡の使い分け

勉強法

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受験勉強をする上でとても重要になる教材が「赤本」です。赤本は教学社という出版社から出版されている「大学の過去問題集」です。

ただ、大学の過去問をまとめた問題集は、赤本だけではありません。大手予備校の駿台が発行している「青本」、河合塾が発行している「紫本」も、多くの受験生に活用されています。また、「大学への数学」で有名な東京出版が発行している「入試の軌跡」も、東大数学・京大数学の過去問を収録した問題集です。

上位の大学を目指す場合「これらをどのように活用しようか」について迷うことがあると思います。そこでここでは、赤本・青本・紫本・入試の軌跡について、それぞれの特徴を紹介します。また、それぞれが「どのような人に向いているか」についても紹介します。

自分に合った教材を使うことで、より受験勉強をしやすくなるはずです。

多くの受験生が活用しやすい「赤本」

ほとんどの受験生が勉強することになるのが「赤本」です。赤本は日本全国の大学ごとに発行されていて、ほぼ全ての大学について揃っています。志望校が決まったら、赤本を早めに手に入れて過去問を早く確認するようにしましょう。赤本の値段は大学ごとに異なり、1冊1,500~2,000円ほどです。

赤本の構成は大きく分けて4つの内容で構成されています。

  • その大学における、入試の特徴・出題傾向
  • 傾向に合わせた各科目の対策方法
  • 過去問
  • 解答・解説

赤本は「過去問についてのスタンダードな解説」が特徴です。問題の解説は多くの受験生が理解しやすくなっていて、癖がありません。入試の傾向・対策についても参考になるため、しっかりと読み込むことで「受験勉強の指針」にすることができます。

多くの受験生が「入試傾向などを把握しなくても、とにかく勉強すれば良いのでは」と考えてしまいがちです。しかし出題傾向を知った上で勉強を進めるのと、やみくもに勉強を進めるのでは、勉強の質に大きな差がついてしまいやすいです。志望校の傾向にしっかりと合った勉強をすることで、より効果の高い勉強をすることができるのです。

入試の傾向や対策を読むのは、あまり時間がかかりません。そのため空き時間や休憩のときなどに目を通しておきましょう。勉強をする中で何度か読み返しておくと、勉強の仕方にズレがなくなります。

赤本はコンパクトなサイズになっていますが、収録されている年度が多いために厚みがある場合があります。そのため、少し開きにくいのがデメリットです。ただ、使いにくいと感じても、日本全国の大学について過去問をまとめている書籍は赤本しかありません。必ず購入しておきましょう

駿台が発行している過去問集「青本」

青本」は大手予備校の駿台が発行している過去問題集です。全ての大学について発行されているわけではなく、東大・京大・東北大・北大などの上位校のみについて発行されています。青本に収録されている問題は赤本と変わらず「大学の過去問」で、構成も赤本と同じです。

赤本と異なるのは、解説を「駿台の講師」が執筆していることです。

難関大学の問題は、人によって解き方が違うことがよくあります。駿台の講師は多くの受験生から「分かりやすい」と評判の人が多いです。青本の問題解説にもこうした分かりやすさが取り入れられていて、赤本とは違う解説がされています。そのためいわゆる「駿台のテイスト」を存分に感じることができ、駿台の解説を好む受験生にはとても使いやすい問題集です。

駿台は特に、数学・物理・化学などの「理系科目」に強い特徴があります。もちろん英語や国語も分かりやすい授業を展開してくれますが、「駿台の数学や物理は分かりやすいし、すごい」という感想をもつ人は多いです。青本の解説でも「駿台ならではの解説の仕方」がされています。

過去問で初めて駿台の解説を見ると、「分かりやすくて、赤本よりも理解が深まる」と思う人がいる一方で、「今まで使っていた参考書などの解説と大きく違う」と感じる人もいます。

私は赤本も青本も勉強に使った経験があります。英語に関しては赤本と青本でそれほど差を感じませんでしたが、物理・化学は青本のほうが分かりやすかったです。きちんと理論的に解説されていて、応用が利きやすい解説がされていました。私は化学が苦手だったのですが、化学を好きになるきっかけになったのは青本です。

また、青本は赤本よりもサイズが少し大きくなっています。ページも開きやすいので勉強に使いやすく、参考書としても問題集としても使うことができます。

模試の予想問題をまとめた河合塾の「紫本」

河合塾が発行している「紫本」も、赤本・青本と比べられることが多いです。赤本と青本が大学の「過去問」を収録しているのに対して、紫本は「大学別模試の過去問」を収録しています。

河合塾は東大オープン・京大オープンなどの「大学別模試(オープン模試)」を開催しています。この過去問をまとめたのが紫本です。

紫本の特徴は大きく3つあります。

  • 志望校の入試傾向に合わせた予想問題をたくさん解くことができる。
  • 問題がとても考えて作り込まれた「良問」
  • さまざまなアプローチでの解法を学べる。

紫本は年に数回しか開催されない大学別模試の問題をまとめた問題集です。大学別模試の問題は河合塾の講師陣が考え抜いて作成しています。問題は単に学力を測るためだけでなく、習得することで大きな実力アップに役立つものになっています。紫本は志望校に特化した良問を集中的に解くことができるため、とても利用価値の高い教材なのです。

赤本と青本は両方あると良いですが、どちらか片方でも良いです。ただ、紫本は必須です。紫本が出版されている大学を志望校にする場合は、早めに購入して取り組むことをおすすめします。

紫本に収録されている大学別模試の問題は、「大学の過去問よりも少し難しめ」です。これは「受験生が志望校の問題をより確実に解けるようになるために、少し上のレベルを目指してもらう」という意図があります。中には解くだけでなく理解するのも大変な問題がありますが、じっくりと取り組みましょう。また、1度解いて終わりではなく、何度も復習することが大切です。

復習についても別ページでも紹介しているため、参考にしてほしいと思います。

ちなみに、「紫本を解けば、河合塾の大学別模試を受ける必要がないのでは?」と思うことがあるかもしれません。ですが模試を会場で解くのと家で解くのでは、緊張感が違います。会場で解くのは実践力を磨くのに最適なので、紫本を活用しながらも、大学別模試を受験することをおすすめします

数学の理解を深められる「入試の軌跡」

入試の軌跡」は、数学教材で有名な「大学への数学シリーズ」を出版している東京出版の過去問題集です。入試の軌跡は東大と京大のみしか発行されておらず、科目も数学のみです。赤本と同じく過去問の解説がされていますが、大学への数学でよく使われる解法を取り入れて問題が解かれています。

東大や京大の問題でさえ鮮やかに解くことができる大学への数学の解法は、非常に素晴らしいです。赤本や青本でスペースを取って解説されている問題が、ほんの数行で解説されていることがよくあります。短いながらも核心を突いた式のみが書かれていて、無駄がありません。

また、東大・京大の数学に絞って作成されていることから、入試傾向の分析もとても深く、役立ちます。さらに問題ごとにレベル分けがされていて、取り組むときの目安にすることができます。

入試の軌跡には入試本番に臨んだ受験生の感想・報告が掲載されています。「東大の2015年度入試を受験したので報告します」のように、「解けたかどうかの手応え」や「どのように問題を解き進めたのか」についてレポートされています。そのため臨場感のある内容で、楽しく読むことができます。もちろん受験本番の参考になるため、読んでおくと良いでしょう。

入試の軌跡は収録年数が多く、解説も充実しているため、使い込むことでしっかりと志望校対策をすることができます。ただ、入試の軌跡を気に入ると、数学の面白さに興味が湧き、時間をかけすぎてしまう恐れがあります。受験勉強はあくまでも各科目の総合点で決まるため、数学だけにのめり込みすぎないように気を付けましょう。

それぞれどのような人に向いているか

ここまで、赤本・青本・紫本・入試の軌跡について、それぞれの特徴を解説してきました。これらがどのような人に向いているかをまとめると、次のようになります。

赤本(教学社) 過去問題集 スタンダードな解説が良い人向け。
青本(駿台) 過去問題集 主に数学・物理・化学について、過去問を通して理解を深めたい人向け。
紫本(河合塾) 予想問題集 発行されている大学を受験する場合、購入しておくと良い。
入試の軌跡(東京出版) 過去問題集  東大・京大受験生で「大学への数学」の解き方が好きな人向け。

赤本だけでも十分に過去問演習を行うことができます。ただ、より理系科目の理解を深めたい場合には青本や入試の軌跡を活用すると良いです。紫本は河合塾のオープン模試の過去問を収録しているため、発行されている場合は購入して取り組むことをおすすめします。

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