月刊「大学への数学」の使い方。問題数や難易度、構成、レベルを解説

勉強法

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ハイレベルな数学の教材で人気のものとして、「大学への数学(東京出版)」が挙げられます。大学への数学シリーズには種類があり、その中のひとつとして「月刊・大学への数学」があります。

月刊大学への数学はとても良い教材ですが、毎月発行される月刊誌のため、使い方に迷うことがあります。ここでは月刊大学への数学(月刊大数)の構成や問題数、難易度について紹介したあと、使い方を解説します。

「月刊大学への数学」の構成と問題数

月刊大学への数学は毎月発行される月刊誌で、たくさんの問題が収録されています。号によって多少構成は変わるものの、月刊大学への数学は大体次のような構成になっています。

構成 難易度 問題数
「ベクトル」など、
毎月1分野の解説・演習問題
基本~標準 約20問
日々の演習 標準~やや難 約25問
数3やその他分野の特集 基本~やや難 20~30問
学力コンテスト(学コン) 毎月1セット
宿題 やや難〜難 毎月1問

月刊大学への数学は基本的に6~11月くらいまで、上の構成・問題数となっています。12月と翌年1月は入試直前になるため、「総整理」と題して構成が変わります。2~5月は「入試本番・入試後」にあたる時期で、その年に実施された入試問題の解説などが掲載されます。

このように月刊大学への数学は、毎月100問近い問題が掲載されます。つまり1日3~4問ペースでもついていくのがやっとであり、「全てをこなしきることはかなり大変」ということを最初に理解しておきましょう。

「月刊大学への数学」のレベル・難易度は「標準~やや難」

月刊大学への数学の難易度は全体的に「標準~やや難」のレベルです。大学への数学は「とてつもなく難しい」と噂されることがあります。ただ、実際は理系で数学の偏差値が60ほどあれば、取り組むことができます。

大学への数学の他シリーズを使っている場合、月刊大学への数学は「新数学スタンダード演習」や「1対1対応の演習」と同レベルか少し難しいくらい、「新数学演習」よりは易しいと考えてください。

月刊大学への数学は素晴らしいが、「数学が好きな人向け」

月刊大学への数学は、とても良い教材です。ただ、基礎が固まらないうちに日々の演習などに取り組んでも、その良さは分からないと思います。

大学への数学では「束の考え方」「逆手流」「内積と見る」など、「大学への数学でしか学べない解法」がたくさん出てきます。基礎力が身についていないと、「何を言っているのか分からない」ということになりやすいのです。

しかし逆にベースが固まった上で大学への数学に取り組むと、「こんな視点もあったのか!と新鮮に感じる解法」が解説されています。普通なら解くのに時間がかかるような問題も、大学への数学ではとても鮮やかに解かれています。大学への数学は「数学の面白さ」を教えてくれる、素晴らしい教材だと思います。

数学の実力がある程度身についているなら、書店で月刊大学への数学を手に取り、まずは「日々の演習」に掲載されている問題の解説を読んでみましょう。そこで驚きや発見があれば、1度取り組んでみることをおすすめします。

月刊大学への数学は「問題を1日5問は解かないといけない」のように、「やらされ感」で勉強することはおすすめしません。「もっと数学の理解を深めたい」「思考訓練をしたい」のように、興味をもって取り組める人向けの教材です。

「月刊大学への数学」の使い方

ここからは月刊大学への数学の使い方を紹介します。勉強をするときの参考にしてください。

毎月購入するより、必要な号だけ買う

月刊大学への数学は良い教材ですが、「月ごとに単発の特集が組まれていて、まとまりがない」というデメリットがあります。つまり毎月勉強しても、「抜け」が出やすいです。

そのため月刊大学への数学をメイン教材として取り組むことは、あまりおすすめしません。きちんと全範囲が網羅されており、まとまりのある参考書・問題集で勉強するほうが良いです。大学への数学シリーズなら、「新数学スタンダード演習」「1対1対応の演習」「微積分基礎の極意」などがおすすめです。

こうした参考書・問題集を勉強した上で「数列と確率をより得意にしたい」のような場合に、月刊大学への数学を使うと良いです。書店で特集の内容を確認して、必要な号を購入しましょう。

講義や解説をよく読む

大学への数学では、「さまざまな解法や考え方の講義」が掲載されています。これをよく読み込んで、理解を深めましょう。数学の基礎が固まっていれば、説明を読んで理解することはできるはずです。

また、掲載されている問題を解いたあとも、「解答」を確認しましょう。自分の解き方とは違う解法で解かれていることが多いため、とても勉強になります。そして多くの場合、説明されている解法のほうが鮮やかに解けているはずです。

こうして「講義を読み、自分で問題を解き、解説を読んで理解を深める」というサイクルで勉強を進めると、数学の実力がさらに高まるはずです。単に問題を解くだけでなく、新たな視点や手法を学ぶ気持ちで月刊大学への数学を使うと良いです。日頃から大学への数学の解法に慣れていると、圧倒的な数学力を身につけることができます。

「日々の演習」を中心に学ぶ

月刊大学への数学で一番使いやすいのは、「日々の演習」です。25問ほどの問題が毎月掲載されており、標準的な入試問題が題材として選ばれています。

日々の演習で選ばれている問題は質の良いものですが、大学への数学では「問題をどう料理するか」に重点が置かれています。上で紹介したように、問題を解くことができたとしても、しっかり解説まで目を通しましょう。そしてできれば同じ解き方でもう1度解くと、理解を深めることができます。そして模試や入試本番でも、大学への数学で学んだ解法を活用しやすくなります。

日々の演習をこなしても余裕があれば、その他の特集などにも目を通すと良いでしょう。基礎力がついた状態なら、拾い読みするだけでもかなり濃い内容を学ぶことができます。

「学力コンテスト」「宿題」は理系の東大・京大・東工大と医学部以外は不要

月刊大学への数学には、「学力コンテスト(学コン)」「宿題」という課題がついています。学力コンテストや宿題は大学への数学のオリジナル問題であり、非常に難しいです。これらの問題は基本的な解法を土台として、高度な応用力を試すものとなっています。

大学への数学と同じく、難易度の高いオリジナル問題で学べる教材として「Z会」があります。少し感覚的な評価になってしまいますが、学力コンテストは「Z会の東大・京大講座と同レベル、もしくはそれ以上」です。つまり理系の東大・京大・東工大など、最難関レベルの大学を志望する場合や医学部志望の場合以外、学力コンテストに取り組む必要はありません。

また、大学受験の数学は基本的に、「解法を習得していれば解ける問題を、ミスなく解けるか」で合否の大部分が決まります。つまり学力コンテストの問題を解けても基礎をおろそかにしていると、逆に入試で得点できないことがあります。

そのため「とにかく難しい問題に取り組もう」と考えて、むやみと学力コンテストばかりに時間をかけるのは大学受験対策として良くありません。高1や高2ですでに高い数学力があり、余力がある場合に取り組むと良いでしょう。

月刊大学への数学を使いこなして、高度な数学力を身につけよう

ここでは「月刊大学への数学」について紹介しました。月刊大学への数学はとても質が高く、基礎力を身につけた上で取り組むと、さらに実力を高めることができます。必要な分野が特集されている号を購入して、日々の演習を軸として勉強してみてください。洗練された解法を身につければ、よりさまざまな問題へ対応できるようになるはずです。

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