大学受験物理の上級者向けおすすめ参考書・問題集と、微積について

勉強法

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物理が得意でよりハイレベルな問題に取り組みたい場合、「微積(微分・積分)を使うかどうか」で取り組むべき参考書・問題集が分かれます。

大学で学ぶ物理は、微積やベクトルなど、数学の知識を使って学ぶことになります。高校物理でもこれらの知識を少し使っているものの、複雑な数学の計算はほとんどありません。しかしより深く物理を学びたい場合、大学で学ぶ数学の知識を使った物理の参考書・問題集を活用すると良いです。

ここでは上級者向けの物理参考書・問題集を紹介します。あくまでも基礎をしっかりと固めてから、以下の書籍に取り組んでください。

なお、ハイレベルな物理の問題に取り組みたいなら、「Z会」はとてもおすすめです。公式サイトで無料でパンフレットやサンプル問題を取り寄せることができるため、参考にしてみてください(親子で相談するのがおすすめです)。

微積を使わない物理の参考書・問題集

まずはあくまでも高校物理で学ぶ内容だけにとどめて解説している参考書・問題集を紹介します。ある程度レベルの高い問題を解けるようになってきたら、スムーズに取り組むことができるはずです。

また、これらの教材でも十分にハイレベルなので、難関大学で出題される物理の問題にしっかり対応することができます。

難問題の系統とその解き方・物理

「難問題の系統とその解き方・物理」は通称「難系」と呼ばれる、受験物理の最高峰的な存在の問題集です。非常に分厚い書籍で、収録されている問題の質は高く、難易度も高いです。全てこなすことができれば、東大、京大や医学部受験にも対応することができます。

難しいながらも微積分を使っていないため、きちんと基礎を固めていれば解説を理解しやすいです。難系に取り組むなら、物理の問題演習はこれ1冊に集中しても良いでしょう。時間があまりなければ、例題だけを解くことでも十分な力を身につけることができます。

Z会の物理講座

良質な教材で学ぶことができる「Z会」の物理講座を取ることもおすすめです。別解として微積分に多少触れることがあるものの、基本的には高校物理から逸脱しない解説がなされています。

Z会は高品質な問題とていねいな解説で、解いて復習するごとに物理への理解を深めることができます。毎月新たな問題に取り組めるため、定期的に物理の演習をしたい場合に役立ちます。ただ、どんどん問題を解き進めたい場合には、ペースを遅く感じてしまうかもしれません。ただ、Z会の問題はどれも難しいため、余裕をもって進められることはあまりないはずです。

微積や大学内容に踏み込んで解説している参考書・問題集

大学で「物理学」を本格的に学ぶ場合、数学の知識を多用することになります。物理学では微分・積分やベクトルなどを用いて、現象を式として表現します。

物理学を学ぶときによく使う数学的知識として、「微分方程式」というものがあります。高校では微分方程式を習わないため、高校物理では微分方程式が必要な部分はぼかした表現になっています。物理の教科書では、Δ(デルタ)を使った表現がよく出てきます。ここで微分方程式の知識があると、より厳密に理解することができます。

予備校講師や参考書、問題集によっては高校生が分かる範囲で、こうした大学で学ぶ物理の知識を解説していることがあります。大学内容の数学的知識を取り入れて解説することで、よりすっきりと、本質的に物理を理解できるためです。物理に微積を使う予備校講師は、いたずらに難しい知識を取り入れているわけではありません。

こうした大学内容にまで踏み込んだ高校物理を、受験生の間では「微積物理」と呼ぶことがあります。ただ、大学の物理学で微積分を使うことは、特別なことではありません。

以下では微積分を始め、大学で学ぶ数学的知識を活用している物理の参考書・問題集を紹介します。ちなみに紹介する教材に取り組む場合、数3の知識は必須です。数3を学んでから、取り組んでください。

図解入門・微積で楽しく高校物理がわかる本

タイトルの通り図解が取り入れられていて、直感的に理解しやすい参考書です。物理の全範囲ではなく、主な分野に絞って解説されています。「実際に問題を解くときに役立つ知識」が中心のため、効率良く微積を使った物理を学ぶことができます。

いわゆる微積物理を、初心者が学ぶときにおすすめの書籍といえます。物理で微積を使うことに抵抗を感じる場合、まずはここから始めると良いでしょう。

新・物理入門 (駿台文庫)

タイトルに「入門」という言葉がついていますが、これはあくまでも「物理学の入門」という意味です。物理初心者向けの書籍ではありません。

高校内容の物理を「微分方程式」や「ベクトルの外積」などの知識を使い、厳密に説明しています。そのためこれまで学んできた物理を、より深く理解することができます。また、「各分野がバラバラのものではなく、つながっている」と考えることができます。

新・物理入門は「参考書」であり、演習用の問題はありません。ただ、ひと通り読み終えると、物理の問題に対する見方ががらりと変わります。

新・物理入門は完成度が高く、「高校物理と大学で学ぶ物理の、橋渡し的な役割を果たす書籍」としても読まれています。最初はとてもとっつきにくく感じる書籍ですが、本質的な物理を学びたいならおすすめの書籍です。

新・物理入門問題演習(駿台文庫)

上で紹介した「新・物理入門」の問題集として発行されているのが、この「新・物理入門問題演習」です。問題数は125問ほどとまとまっており、それぞれの問題で新・物理入門の知識を使った解説がなされています。ただ、新・物理入門を完全に読破しなくても、ある程度は新・物理入門問題演習を理解することができます。

問題が基本問題・実践問題・記述演習の3種類に分かれており、基本と実践の問題をこなすことで、さまざまな大学の問題に対応できる力を身につけることができます。掲載されている問題は有名大学の入試問題や著者のオリジナル問題が中心となっており、非常に良質です。

また、記述演習の解答では、駿台の物理講師である山本先生による記述の回答を再現しています。問題を解いたあとに記述の仕方を確認することで、物理の記述問題にも対応しやすくなります。

物理で微積分を活用することのメリットは、「応用が利きやすい」という点です。本書に収録されている問題をしっかりマスターすることで、難関大学の入試にも十分に対応できます。

理論物理への道標・上下(河合出版)

「微積を使った物理といえば駿台」というイメージをもつ人は多いです。ただ、微積を使った物理の問題集として最高峰のものは、河合塾が出版している「理論物理への道標」だと思います。

上で紹介した「新・物理入門問題演習」よりもさらに難しい問題を扱っており、東大・京大・医学部志望の場合には取り組む価値があります。それ以外が志望校の場合には、オーバーワークになりやすいです。扱っている問題の多くが東大の過去問・東大模試(河合塾開催)のものであるため、東大志望の場合には特におすすめです。

理論編と演習編に分かれているものの、理論編は物理の基本的な力がないと理解することはできません。知識のインプットよりも、あくまでも「良質な問題で、どんどん演習を積みたい人向け」といえます。しっかりと完成させることができれば、あらゆる大学の物理入試で困ることはないはずです。

ハイレベルな教材で、物理を完成させよう

ここでは、上級者向けの物理参考書・問題集を紹介しました。物理で微積を使うべきかどうかは、人によって好みが分かれます。上級レベルの参考書や問題集に取り組む余裕があるなら、一度微積を使って解説している書籍を見てみるのはおすすめです。人によってはより明快に物理を理解でき、「物理学」への興味も深まるかもしれません。

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