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旧帝大・早慶上理・医学部などの難関大学・難関学部に向けて化学の受験対策をするとき、使う問題集に迷うことはあると思います。
結論として、基本的には「重要問題集(数研出版)」が定番。東大・京大や上位の医学部を目指すなら足りませんが、その他の大学は重要問題集B問題までをしっかり解けるようにすると良いです。
ただ、これだけで話を終わらせるのは短かすぎるため、ここでは旧帝大・早慶上理・医学部を目指す場合におすすめな化学の問題集を紹介します。
難関大学の化学対策問題集、おすすめ5選
典型パターンを網羅。使いやすくて定番の 「重要問題集 化学基礎・化学(数研出版)」
とにかく定番の重要問題集。やはり1番使いやすくておすすめです。
数研出版は長年にわたって化学の入試問題を分析。重要問題集は毎年出ていて、収録されている問題は前年と同じものもあれば、変更されるものもあります。典型パターンの問題はひと通り網羅されていて、やり込めば難関大学の入試で合格ラインに到達するには十分です。
重要問題集はレベルがA問題とB問題に分かれているため、まずはA問題を解き、その後にB問題も解くのがおすすめ。旧帝・早慶・医学部とも、B問題までしっかり解けるように仕上げましょう。
さらにおすすめは、最後に収録されている「巻末補充問題(総合問題)」まで解いておくこと。ここまで解いている人は意外と少ないため、全てやり切ることで差がつきます。
重要問題集Bレベルの問題が100問ほど 「化学標準問題精講(旺文社)」
重要問題集と並んで人気の「化学標準問題精講」も、良い問題集。問題数が100問ほどに絞られていて、2ヶ月くらいで1周できるボリューム。レベル感は重要問題集のB問題が中心で、難しいです。
「セミナーやリードアルファの発展問題、重要問題集のA問題くらいはスムーズに解ける」という状況なら、標準問題精講が合っています。セミナー・リードアルファの発展問題がそこまで難しく感じないなら、重要問題集を飛ばして標準問題精講に進むのも良いでしょう。
ただ、入試標準レベルの問題が解けないうちに取り組んでも、思うような効果は期待できません。あくまでも土台をしっかり固めた上で使うべき問題集です。
ちなみに「やさしい理系数学」もそうですが、標準問題精講も「標準」ではない気がするため、ネーミングは何とかならないのかなと少し思います(笑)
問題数が多く、標準から難問レベルまで網羅 「化学の新演習(三省堂)」
東大・京大・上位医学部を志望する人は、重要問題集よりこちらの「新演習」を使う人が多いです。
新演習の問題数は330問ほどで、かなりのボリューム。難しいと評判ですが、レベルは3段階に分かれていて、入試標準レベル・重要問題集Aレベルの問題もたくさん収録されています。
新演習を1問1問しっかり身につけながら3周できれば、化学の偏差値は70を超えることも十分可能。あとはこなせるかどうかの時間勝負なので、入試までの残り期間から逆算して、使うかどうかを考えてみてください。
私立医学部志望なら解いておきたい 「医学部の化学(旺文社)」
大学受験化学の人気講師、鎌田先生による医学部向けの化学問題集。収録されている問題は私大医学部の問題が中心で、上位の私大医学部の問題も多数。約450問あります。
問題数がとても多く感じますが、1問1問に制限時間が設けられていて、「1分」や「30秒」となっているものもあります。たとえば制限時間5分の問題を1時間解くなら12問解けることになり、思ったより仕上げるのに時間はかからないかもしれません。
ただし入試標準レベルの問題はスパスパさばける実力になっていないと、制限時間で解き進めるのは難しいです。まずはここまで紹介した問題集の1冊を仕上げて、プラスの1冊として取り組むと良いでしょう。
大学受験化学の最高レベル問題集 「新理系の化学問題100選」
名前は知っている人も多い「新理系の化学問題100選」。化学では最高峰の問題集として知られていて、東大・京大を目指す人向け。良問ばかりが収録されています。
ただし難易度はとても高く、100問で化学の典型パターンを網羅するのは難しいため、重要問題集・化学標準問題精講・新演習のいずれかを仕上げてから最後に取り組む問題集としておすすめです。
大学受験の化学問題集、どれを使うかで迷ったら?
上の5冊は全ておすすめですが、どれを使おうか迷うこともあると思います。ここからは、選ぶときの基準を紹介します。
【各問題集のおすすめ度】
重問 | 標問 | 新演習 | 医学部 | 100選 | |
---|---|---|---|---|---|
早稲田 慶應 理科大 |
◎ | ○ | ○ | × | △ |
東大 京大 |
○ | ○ | ◎ | × | ○ |
阪大 | ○ | ○ | ◎ | × | △ |
北大 東北大 名大 九大 |
◎ | ○ | △ | × | △ |
私立医学部 偏差値 70未満 |
◎ | △ | ○ | ○ | △ |
私立医学部 偏差値 70以上 |
○ | △ | ◎ | ○ | △ |
国公立 医学部 |
○ | △ | ◎ | ○ | ○ |
※重問:重要問題集、標問:標準問題精講、新演習:化学の新演習、医学部:医学部の化学、100選:新理系の化学問題100選
一番スタンダードなのは重要問題集。難関大志望なら、B問題までしっかりと
1番スタンダードで多くの受験生に支持されているのは、重要問題集。旧帝大・早慶上理・医学部を目指すなら、B問題までひと通り解けるようにしましょう。また、1周だけではあやふやな理解の問題も多いはずなので、できれば2〜3周くらいはしたいところです。
さらに上でも紹介しましたが、最後に収録されている巻末補充問題まで完璧に仕上げれば、東大・京大・偏差値70以上の医学部以外はだいたい対応できるようになります。
ちなみに「重要問題集って、みんな使ってるけど大丈夫なの?差がつくの?」と思うかもしれませんが、全ての問題をきちんと理解して解けるように仕上げるのはなかなか大変です。数学やほかの科目もある中でこのレベルまで化学を到達させられる人は少なく、やはり重要問題集がおすすめではあります。
標準問題精講は重要問題集を解いて、まだ余力がある人向け
標準問題精講は重要問題集のB問題と同じくらいのレベル。
リードアルファ・セミナー・ニューグローバルなど、教科書準拠の問題集に収録されている発展問題・応用問題がスムーズに解けるなら、重要問題集ではなく標準問題精講が良いでしょう。
または重要問題集を終えて、まだ時間がある人にもおすすめ。ボリューム的にも100問ほどと消化しやすいため、2冊目として取り組むのにちょうど良いです。
化学の新演習は旧帝大なら阪大以上、偏差値70以上の私立医学部を狙う人向け
新演習は問題数のボリュームが330問ほどと多く、化学に力を入れたい人、または阪大以上の旧帝大・偏差値70以上の医学部を目指す人におすすめ。つまり難関大学の中でも、さらに上位のレベルを目指したい人向けです。
新演習は★の数でレベル分けされていて、「★」〜「★★★」まであります。
★★:入試標準レベル
★★★:重要問題集Bか、それ以上のレベル
というイメージ。
新演習は難しいと評判ですが、全ての問題が難問というわけではないため、意外と普通に取り組める問題集ではあります。「どうせならがっつり対策したい」という場合は、新演習を使いましょう。数学やほかの理科科目、英語などにも時間を使いたいなら、無理せず重要問題集を使うほうが良いです。
医学部の化学は、私立医学部を狙う人ならおすすめ。ほかの問題集1冊と合わせて
医学部の化学はほかの問題集に比べると知名度は低めですが、医学部に特化した問題集のため。計算量が多い問題や細かな知識を問う問題など、医学部ならではの問題も多いため、他学部志望の人が使うのはおすすめしません。逆に私大医学部を目指すなら傾向がマッチしているため、おすすめです。
ただ、偏差値65前後の私大医学部は、教科書準拠の問題集と重要問題集でも十分対応できます。これらをこなしてまだ余裕があれば、もう1冊として取り組みましょう。
新理系の化学問題100選は、最難関(東大・京大)を狙う人向け
新理系の化学問題100選は最高レベルの問題集ということで興味をもつ人も多いですが、ほとんどの場合オーバーワーク。中途半端に取り組むと、時間もお金もムダにしてしまいます。
良い問題集ではありますが、個人的には東大・京大でも、新演習や標準問題精講のほうがおすすめ。これらを仕上げてまだ余裕があれば、取り組むのも良いでしょう。
学校問題集の発展問題を解けるだけでも、偏差値60ほどまでは到達できる。基礎をしっかり固めた上で問題集の活用を
ここで紹介した問題集はどれも良質ですが、注意したいことがあります。
それは「基礎固めの問題集をおろそかにしないこと」。
早く入試問題を解けるようになりたい気持ちが先走り、基礎があやふやな状態で重要問題集などを解き始める人は多いです。「気体の計算問題は、基本問題も危ない」「フェノールの製法3つって何だっけ?」のような状態で入試問題を解いても、大切なポイントを理解する前の段階でつまずいてしまいます。
実はセミナー・リードアルファ・ニューグローバルなどの基本問題・発展問題をしっかり解けるだけでも、偏差値60くらいのレベルには到達可能。教科書準拠の問題集は、スムーズに解けるよう仕上げましょう。
問題集は「ただ解くだけ」にならないよう注意。現象や式の意味を理解しながら、1問1問をしっかり身につけよう
同じ問題集を使っていても、大きく学力が伸びる人とそうでない人がいます。
その原因は大きく4つあり、
- 基礎がきちんと身についていない状態で、発展問題を解いている。
- 1問1問「なぜその式になるのか」を考えず、何となく解けている。
- 図を描かず計算式だけで考えていて、現象のイメージができていない。
- 1回解いただけで、復習しない。
これらは特に多くの人がしてしまいがちです。
化学は数学のように数式を使いますが、「反応・現象」を数式・化学式で考えることがほとんど。「問題で問われている現象は、何が起きているのか」を正しくつかむことが重要ですが、化学が苦手な人は数式だけで進めてしまうことがよくあります。図を元にイメージしながら考えるだけでも、現象をクリアにつかみやすいはずです。
また、1問1問を雑に解いてしまい、「なぜ解けたのか」を考えずに進めるのも伸び悩む原因。「こういう理由でこの式を作り、こう解く」と、論理的に解けているかを確認しましょう。「ここはちょっとよく分からないけど、まあいいか」のように済ませてしまう部分が多いと、あやふやな理解になってしまいます。
もうひとつ、復習も必ず必要。問題集を1周しただけでは、2回目でも解けないことが多いです。3周くらい復習してようやく身についてくるため、復習することを前提で計画を考えましょう。
学習計画がぼんやりしている、ほかの科目も合わせて計画をキッチリ組みたい場合、「STRUX(ストラックス)」や「鬼管理専門塾」などのコーチング塾を利用するのも良いです。どちらも東大生や早稲田生など、難関の受験をクリアしたコーチがベストな計画を立ててくれて、STRUXは英語や数学などの授業も受けられます。
(参考)
理想は高3の8〜9月末までに重要問題集レベルの問題集を1周。残り期間で復習・過去問・余裕があればもう1冊
ここまで紹介した問題集を終わらせる目安としては、
高3の
10月末:2周目を終了。週1〜2回ペースで過去問(余裕があれば2冊目の問題集)
12月末:1冊目の3周目を終了。週1〜2回ペースで過去問
1月末:過去問を解きつつ、復習
というイメージです。ただし計画通りに進まないこともあるため、高3の9月末には問題集の1周目を終えたいところ。復習しやすいように、解いた問題の理解度を自分でチェックしておくと効率的です。「この問題はもう大丈夫」という問題は、さっと確認するくらいで良いでしょう。
2冊目は余裕があれば取り組むのも良いですが、2冊目も2〜3周する時間は取れないことがほとんどだと思います。上の5冊はどれも難関大学の受験に対応しているため、無理に2冊目を解くより、1冊をひたすらしっかり仕上げるほうが学習効果が高いです。
自分に合った問題集で、万全の化学対策を!
旧帝大・早慶上理・医学部を目指すなら、使う問題集はしっかり選びたいもの。化学は定番の重要問題集も良いですが、志望校に合わせて使う教材を変えてみるのもおすすめ。自分に合った問題集で、万全の化学対策をしてほしいと思います。