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大学受験の勉強で最も中心となる科目のひとつに「数学」があります。数学は文系・理系問わず必要になることが多く、多くの人がつまずきやすい科目です。
「数学は難しいから苦手」という人はたくさんいます。私も学生時代、数学を勉強していて分からないことがよくありました。しかし数学はポイントを押さえて学べば、点数・偏差値を伸ばしやすい科目です。ここでは、数学の勉強全体を通して気を付けるべきポイントを9個紹介します。全て大切なことなので、勉強をする中でぜひ意識してみてください。
数学の勉強で押さえておくべき9個のポイント
大学受験数学の勉強で押さえておくべきポイントは、次の9個です。
- 数学は「暗記」の部分がある
- 基本を軽く見ず、反復練習する
- 5〜10分考えて解法を思いつかなければ、解答を見る
- 少しずつ、ステップアップする
- 「なぜこうなるの?」と考えるようにする
- 字をていねいに、はっきり書く
- 復習を「見て」する
- 「思考力=発想力+計算力」であることを覚えておく
- 軸となる参考書・問題集を決めておく
これらそれぞれがとても大切です。これらについて、詳しく説明していきます。
数学は「暗記」の部分がある
数学の勉強で「問題を自分で考えて解くことが大切」と考えている人はたくさんいます。これは正しいことですが、実は数学では「暗記」も必要です。
暗記するべきことは2つで、「公式」と「解法(かいほう:問題の解き方)」です。
数学の問題を解くとき、頭の中では「習った解法を思い出し、それに当てはめて問題を解く」ということが起きています。つまり自分の頭で考えているように思えても、実は数学では無意識のうちに「覚えている解法」に当てはめて問題を解いているのです。
最初にお伝えしたように、「数学では思考力が大切」といわれます。ただ、数学の思考力は「公式と解法の暗記」が土台になっています。これらを覚えずにいくら考えても、ただ時間だけが過ぎてしまうのです。
公式と解法のうち、特に暗記していない人が多いのは、「解法」です。高校では「解法を暗記するべき」ということを、あまり教えてもらうことができません。
受験数学の問題にはパターンがあります。パターンの数はとてもたくさんありますが、英単語や日本史・世界史のように、頑張れば覚えきれる量です。
数学で定番とされている参考書に「黄チャート(数研出版)」があります。黄チャートの「例題」は、受験数学の解法パターンを網羅しています。黄チャートを使うときには、ただ例題を解くだけでなく、ひとつひとつの例題をパターンとして覚えることが大切です。きちんと解き方を理解した上で、覚えるようにしましょう。
基本を軽く見ず、反復練習する
数学が苦手な場合は、まずは基本問題を中心に取り組むことをおすすめします。簡単な計算問題や文章問題をしっかり解けるようにしましょう。
ここでいう「解ける」とは、「問題を見たら解き方をすぐに思いつき、すらすらと途中式から答まで書けること」を指します。
解き方を思い出すのに時間がかかったり、途中で止まったりする場合は、まだ理解しきれていないところがあるということです。すらすら解けるようになるまで、繰り返し復習しましょう。
英単語を覚えるときに、書いて覚えることがあると思います。数学の問題もこれと同じで、スムーズに書けるようになるまで解きましょう。「もうこの問題は分かるから、書かなくて大丈夫」と思っていても、書いてみると意外と書けないことがよくあります。これは「理解しきれていない証拠」なのです。
5〜10分考えて解法を思いつかなければ、解答を見る
数学を勉強する上で「考えること」は大切です。「じっくり考えることで思考力が身に付き、学力が伸びる」といわれることもあります。
しかしひとつの問題をじっくり考えると、解ける問題の量が減ってしまいます。「たくさんの時間を費やしたのに、解き方を知っていればすぐに解ける問題だった」ということはよくあるのです。
受験数学で学ぶべき解法パターンは多いです。そのため「考える時間」と「解法を暗記する時間」という2種類の時間を、バランス良く取ることが大切です。
ひとつの問題で考える時間は、参考書の問題なら5分、問題集や大学の入試問題なら10〜15分ほどが適しています。これらの時間を考えて解き方を思いつかなければ、解答を見て理解して、解けるように復習しましょう。すらすらと解けるようになれば、その問題を習得できたことになります。
数学の思考力は、公式と解法の暗記が基礎になります。私も学生のころは考える時間が長い傾向にありました。考えることに時間を費やすと、解法暗記が不足しやすいため気を付けましょう。
少しずつステップアップする
数学は「論理」がとても大切な教科です。論理とは「こうだから、こうなる」というものです。数学は常に「こうだから、こうなる」の繰り返しです。
数学は階段のように、ひとつの段階が分かると、次の段階が分かります。
つまり逆に言うと、数学ではどこかで分からない部分があると、次の段階に上ることができません。もしくは一見分かったように思えても、どこかでつまづくことになってしまいます。
そのため数学では、ひとつずつ問題を解けるようにすることが大切です。難しい問題を最初から解くことはできません。基礎から分からないところを残さないようにして勉強を進めると、レベルの高い問題もいずれ理解できるようになります。
多くの人はあいまいな部分を残したまま、次の問題や単元に進もうとします。これではつまづくのは当然です。問題ひとつひとつをていねいに解いて、分からないところを残さないようにして進めると良いです。
分からない場合は友達・学校の先生・予備校や塾の講師に質問することが大切です。
「なぜこうなるの?」と考えるようにする
数学は上でもお伝えしたように、「論理」がとても大切です。新しい単元を習ったり、問題の解答を見たりするときに「なぜこうなるの?」という思いが出てくることがあると思います。
この「なぜ?」が非常に大切です。
数学を苦手としている人は、「たぶん分かった」と、あいまいに理解したままで次の問題に進んでしまいがちです。しかし「なぜ?」と常に考えることで、疑問を残さないようにしっかり理解することができます。
字をていねいに、はっきり書く
とても基本的なことですが、字をていねいに書くことは大切です。
私は塾講師として多くの高校生を指導していましたが、成績が伸びやすいのは字がていねいな生徒でした。
少し精神論的な話になりますが、私は『「気持ち」と「書くこと」は連動している』と考えています。つまり、あいまいに理解している人は自分の書く解答に自信がないため、雑で薄い字を書きやすいです。これに対してしっかりと理解している人は自信をもって解答を書くことができるため、はっきりとした字を書きます。
逆に言えば、字をていねいに書くように意識すると、しっかり理解していないと書けないことになります。そのため「解く問題を、きちんと理解しよう」という意識が働きやすくなるのです。
しかし「字をていねいに書きましょう」というのは、小学校で教わるようなことです。そのため軽く考えて、字を直さない人は多いです。しかし直すと効果があるため、ぜひ試してほしいと思います。私自身、学生時代にきちんと字を書くようになってから、より数学が得意になりました。
また、字が上手ではなくても、ていねいに書くよう気を付けることはできます。ていねいに書きながら「字を上手く書ける練習にしよう」と気をつけながら書けば、一石二鳥です。
復習を「見て」する
数学では、1度解いた問題を復習することがとても大切です。このときに毎回書いて復習をする人がいますが、これはおすすめしません。
書いて復習すると途中式を書き、計算まですることができるため、たしかに効果が高いです。しかしすでに解けると分かっている問題を書いて復習しても、効果は薄いです。ただ「分かっていることをなぞるだけ」になってしまうのです。
受験数学で学ぶことはたくさんあります。そのため書いて行う復習は、「まだあいまいにしか理解できていない」と感じる問題に絞りましょう。
すでに解けると分かっている問題は、「見る」だけで十分です。問題を見て「解法を思いつき、あとはミスなく計算するだけ」というところまでイメージできたら、その問題は習得できているといえます。
私は黄チャートを「単語帳」のように使っていました。復習のときに例題を見て、「これは完全に解ける。大丈夫」と思ったら、次の問題を見ます。こうしてどんどん問題を見て復習をします。そして解き方が思い浮かばない問題だけ、あらためて書いて復習していました。
この方法で復習すると1問の復習にかける時間がとても短くなり、効率が良くなります。そして復習を何度も繰り返しできるようになります。パラパラとページをめくるだけで復習することができるため、短時間で高い学習効果を得ることができます。
「思考力=発想力+計算力」であることを覚えておく
数学でいう「思考力」とは、「発想力」と「計算力」の足し算です。発想力は「頭」、計算力は「パワー」のようなイメージです。数学の力を伸ばすには、発想力と計算力の両方を伸ばすことが大切です。
発想力は問題を考えることと、解法の暗記で鍛えることができます。計算力は計算問題を解いたり、文章問題を解くときの途中計算をていねいにしたりすることで身に付きます。
解法の暗記をしていると、計算がおろそかになることがあります。定期的に15〜20分ほどの時間を取り、計算練習をすることをおすすめします。特に数3は計算がとても大変です。計算力を集中的に鍛えるだけでも、問題の解きやすさが大きく違ってきます。
軸となる参考書・問題集を決めておく
数学の参考書・問題集はさまざまなものが出版されています。色々なものを使いたくなりますが、軸となる教材を決めておきましょう。ひとつの教材をやり切ることで自信がつき、今後も復習してさらに理解を深めることができます。
参考書は黄チャートのように、ひとつのシリーズを使えば十分です。参考書で解法の暗記を行い、あとは問題演習をして、解法の使い方を習得しましょう。
ポイントを押さえて勉強を
ここでは、大学受験の数学を勉強するにあたり必ず押さえておくべきポイントを9個紹介してきました。どれも大切なポイントのため、意識して勉強してほしいと思います。
数学は正しい方法で勉強すれば、成績・偏差値を伸ばすことができます。
受験数学で学ぶことは、職業によっては将来あまり使わないかもしれません。しかし数学の勉強を通して身に付く論理的思考は、ものごとを考える上でとても役に立ちます。受験勉強は必要に迫られてするものかもしれませんが、ぜひじっくりと取り組んでみてください。