大学受験の英語で使う単語帳の選び方と使い方(覚え方)おすすめ教材

勉強法

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大学受験の英語を学ぶ上で、最も基礎となるのが「単語」です。単語を覚えると、当然ですが文章の意味を理解しやすくなります。文法や読解の知識がないとしっかり読み取ることは難しいものの、ある程度は単語だけで文章を訳せるようになります。単語は覚えるほど英語力の伸びにつながるため、即効性があります。

ただ、大学受験対策の単語帳はさまざまなものが出ており、「どれが良いか分からない」ということがあると思います。そこでここでは「単語帳の種類と、大学受験対策におすすめの単語帳」を紹介します。1冊仕上げて、英語の基礎を固めましょう。

なお、単語帳を活用しながら英語を勉強するなら、月1,078円(税込)で学べる「スタディサプリEnglish」というサービスはとても良いです。最初に7日間の無料おためしをすることができるため、親子で相談してぜひ使ってみてください(※無料期間は申込日が1日目)。

単語帳はどれも同じではない

単語は単純に暗記すれば良いですが、単語帳はどれも同じではありません。それぞれに覚えやすさが工夫されており、単語帳によってはひとつの単語をより使いこなせるよう、「例文」や「CD」がついています。単語帳は大きく分けて、次の4タイプに分けられます。

  • シンプルなタイプ
  • 例文・長文つきタイプ
  • CDつきタイプ
  • 語呂・ダジャレで覚えられるタイプ

それぞれの特徴を紹介します。

シンプルなタイプ

「とにかく分かりやすく、シンプルに単語を覚えたい」という場合、シンプルタイプの単語帳を使うと良いです。単語とよく使われる意味が見やすく対応しており、「この単語はこの意味」という風に覚えることができます。

ひとつの英単語でも本来は、さまざまな意味をもちます。ただ、「分かりやすくシンプルに覚える」という意味では、単語と意味を1対1で覚えるほうが良いです。「英単語ターゲット1900」などが、このタイプに当たります。

例文・長文つきタイプ

英文の中で単語を覚えると、より記憶が定着しやすいです。単語帳によっては例文が充実していて、暗記に役立てることができます。

また、例文自体の質にもこだわっていることが多いため、例文に触れることで英語力もアップしやすくなります。「システム英単語」「DUO3.0」「速読英単語」などがこれに当たります。速読英単語は例文というよりも、「長文」の中で単語を覚えられるようになっています。

CDつきタイプ

多くの単語帳は、別売りのCDがあります。ただ、単語帳によっては最初からCDがセットになっているものもあります。

単語帳だけでも単語を暗記することはできるものの、音声で単語を聞くと、より覚えやすくなります。また、単語の正しい発音も身につけることができます。通学などの時間に音声を聞くと良いでしょう。

CDつきタイプの単語帳としては「ユメタン」が挙げられます。

語呂・ダジャレで覚えられるタイプ

「どうしても単語を覚えるのが苦手」という人のために、単語帳によっては「語呂合わせ」や「ダジャレ」などで覚えることができるものもあります。「イラスト記憶法で脳に刷り込む英単語1880」などがこれに当たります。たとえばeager(熱心な)は、「胃が痛くても、熱心に仕事をする」のように覚えられます。

ただ、本当は語呂やダジャレで覚えることができる単語帳よりも、上で紹介した3タイプの単語帳で覚えるほうが良いです。英文を読むときにゴロやダジャレが思い浮かぶと、読解の邪魔になってしまいます。そのため単語帳の1タイプとして紹介しますが、おすすめ教材としては紹介しません。

おすすめの人気単語帳

単語帳は「定番」ともいわれる、多くの受験生に人気の教材があります。特におすすめの5つを紹介するため、書店で手に取るなどしてどれかひとつを集中して覚えましょう。1冊仕上げれば、あとは長文を読む中で出てきた単語を覚えれば十分です。

東大・京大・一橋・早稲田・慶応など、文系で最難関の大学を受験する場合のみ、上級レベルの単語帳に取り組むと良いです。

英単語ターゲット1900(旺文社)

タイプ シンプルタイプ
語数 1900語

シンプルタイプのスタンダードな単語帳である「ターゲット1900」は、長年に渡って大学受験生に人気のある教材です。大学入試で頻出する1900個の単語が厳選されており、効率良く覚えることができます。これを1冊仕上げれば、センター試験から私大入試、国公立の二次試験まで、幅広く対応することができます。

「この単語は、この意味でよく使われる」という形式で覚えることができるため、迷わず暗記したい場合におすすめです。「とにかくどんどん覚えたい」という人には良いです。

また、最近は「無料のスマホアプリ」があり、スマホで単語テストをすることができます。併用することで、より単語を覚えやすくなります。

システム英単語(駿台文庫)

タイプ 例文タイプ
語数 2000語+多義語180語

通称「シス単」は、大手予備校として人気の「駿台」が発行している単語帳です。予備校らしくシステマチックに暗記できる単語帳となっており、さまざまな工夫が凝らされています。「出やすい順に意味が並んでいる」「例文よりも短い『ミニマルフレーズ』で効率良く暗記」「入試で出やすいポイント」などがコンパクトにまとまっています。単語数ももちろん十分です。

シス単は「完成された単語帳」としてターゲット1900と共に人気が高く、使って間違いのない単語帳といえます。

DUO3.0(アイシーピー)

タイプ 例文タイプ
語数 1600語+熟語1000語

DUO3.0はアメリカの大学教授やネイティブの外国人を合わせた15名のスタッフと日本人スタッフによって作られた、本格派の単語帳です。「暗記する価値のある英文」とされる良質な例文560本の中に単語・熟語が上手く含められており、効率良く暗記することができます。別売りのCDも使うと、より効果的です。

ひとつひとつの単語は派生語や関連する内容の解説が豊富ですが、「最も出やすい意味」については見やすく強調されています。そのためターゲット1900と同じように、シンプルに覚えることもできます。

DUO3.0は大学受験にも使えますが、TOEICの対策に使っている人も多いです。そのため大学受験が終わっても活用できる、コストパフォーマンスの良い単語帳といえます。個人的にはレイアウトがすっきりしていて、とても好きです。

速読英単語・必修編(Z会出版)

タイプ 長文タイプ
語数 1900語

速読英単語はほかの単語帳と違い、「長文の中で単語を覚えられる」という特徴があります。さまざまな単語帳がある中で、長文を読むことで単語を覚えられる教材はこれしかありません。長文を読まなくても使えるようになっており、ターゲット1900と同じようにシンプルな単語帳でもあります。それぞれの単語は、見やすくまとめられています。

また、長文は質の高いものが厳選されており、長文読解や速読の練習を兼ねて、この書籍を使う受験生も多いです。長文は「大学受験標準レベル」で、偏差値50前後で読めるくらいの難易度です。さらに「無料アプリ」も用意されており、確認テストを利用することで単語をより確実に覚えることができます。

速読英単語は別売りでCDも用意されており、単語と長文をそれぞれ音声で聞くことができます。単語の暗記にもリスニング対策にも使えるため、合わせて活用すると良いでしょう。

さらに、文系で難関大学を受験する場合は、「上級編」にも取り組むと良いです。これで英単語に関しては、十分といえます。

ユメタン(アルク)

タイプ CDつきタイプ
語数 1000語(大学合格必須レベル)

ユメタン(夢をかなえる英単語)は、最近使う人が多い単語帳です。個人的には「上の4つがどうしても合わない場合に見てみると良い単語帳」という印象です。気になる受験生が多いため、一応紹介します。

ユメタンは「1週間で100語覚える」を目標としており、7日間でどのように暗記すると良いかが「キムタツ式語彙(ごい)学習法」として提案されています。

1日目:単語の実力チェック
2日目:単語を書いて暗記
3日目:CDで発音して単語を暗記
4日目:フレーズを暗記
5日目:フレーズを書いて暗記
6日目:CDの日本語に続いて、単語を発音
7日目:最終チェック

上のような流れで単語の勉強が進みます。この勉強法が自分に合うと感じたら、ユメタンを使うと良いです。ただ、ユメタンは「中学修了~高校基礎レベル」「センター試験レベル」「大学合格必須レベル」「難関大学合格必須レベル」のように書籍が分かれており、複数冊購入する必要があります。単語は大切ですが、1冊にまとまっているほうが使いやすいです。

単語帳は「高3の7月末まで」に覚えきる

単語帳を仕上げる目安は、「高3の7月末まで」です。8月以降の英語学習は「長文読解」を中心にするべきなので、それまでに単語・文法を仕上げておく(掲載されている単語を覚えきる)と良いです。

文系で難関大学を目指す場合、上級レベルの単語帳も8月くらいまでに終えられると良いです。時間的に難しい場合は、9~10月には終えましょう。

単語帳を1冊仕上げたら、「意味を推測する力」を身につける

上の単語帳を1冊選んで暗記すれば、大学入試の長文で出てくる単語をかなり読み取ることができます。ただ、ときには分からない単語が出てくることはあります。

このとき「もっと単語帳で新しい単語を覚えたほうが良いかもしれない」と思うかもしれません。ただ、単語帳で2000語くらいの語彙力をつけても、どうしても長文では初見の単語が出てきます。

覚えていない単語でも、前後の文脈から意味を推測できることはよくあります。軸となる単語帳を1冊仕上げたら、あとは長文を読みこなし、「文脈の中で意味を推測する力」を身につけるほうが良いです。

なお、単語を暗記するときには、書いて覚えるだけでなく、発音したり、CDで聞いたりと、さまざまな方法を組みわせると良いです。暗記の仕方については別ページでも解説しているため、参考にしてください。

>>大学受験の勉強で暗記が苦手でも、早く、効率良く覚える方法

単語帳を覚えて、英語の土台を固めよう

ここでは、「大学受験で使う単語帳の種類」と「おすすめの単語帳」を紹介しました。単語は英語力の基礎となるものです。早めに取り組み始めて、高3の夏までには終えるように進めましょう。単語帳と標準的な文法参考書を1冊ずつ終えると、かなり長文を読みこなせるようになります。

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