大学受験で滑り止めなしはやめるべき。入学金・何校受けるか

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大学受験では第1志望の大学を決めるものの、「滑り止めの大学」も決めることが多いです。「自分の実力でほぼ合格する」と思われる大学を滑り止めとして受検することで、第1志望の大学入試に安心して臨めたり、他の大学が不合格の場合にも入学先を確保したりすることができます。

ただ、滑り止めの大学は適当にではなく、きちんと考えて決めることが大切です。ここでは、「滑り止めの大学」について紹介します。

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滑り止めなしは危険。必ず保険を作るべき

人によっては「滑り止めなんて受ける必要はない」と考えることがあります。ただ、浪人できない場合、滑り止めの大学を必ず受験するべきです。

いくら自信があったとしても、受験は何が起こるか分からない面があります。絶対に受かると思っていた大学の入試で例年と異なる傾向の問題が出題されたり、回答の仕方を間違えて大きく点数を落としたりすることがあるのです。

このような不測の事態に備えて、滑り止めの大学を必ず決めて、受験することをおすすめします。浪人することを覚悟の上で受験する大学を絞るのであれば、滑り止めを作らなくても問題ありません。ただ、浪人ができない、もしくは嫌な場合は、滑り止めについて考えておきましょう。

滑り止めの大学を決めると第1志望の大学入試を受ける際、安心して受験することができます。「もしもこの大学が不合格でも、入学できる大学がある」と考えると緊張が和らぎやすくなり、自然体で試験を受けやすくなるのです。

入学して良いと思える滑り止めを考えておく

滑り止めの大学を決めるときは、「もし通うことになったとしても、楽しく過ごせそうな学校」を選びましょう。「志望校よりも偏差値が10低いから、この大学を滑り止めにしよう」のように考えると、もしも入学するときになったとき、納得いかないことがあります。

「滑り止めの大学に入学しても、きっと大学生活を楽しめる」と思えるようになるには、大学について情報収集をすることが大切です。滑り止め候補となりそうな大学のパンフレットやホームページを見て、興味が湧きそうかどうかを確認しましょう。

大学で行われている研究やキャンパスの風景を見ると、滑り止めの大学でも興味の湧く部分が見えてくるはずです。「第1志望は変わらないけど、◯◯大学もキャンパスがきれいで楽しそう」「◯◯大学で行われている研究も面白そうだ」のように考えることができるのです。

スタディサプリ進路」や「マイナビ進学」というサービスでは、さまざまな大学のパンフレットや資料を無料で取り寄せることができます。勉強をすることも大切ですが、こうした情報源を活用して、大学について考えることも大切です。

滑り止めだからといって、油断しない

「滑り止めの大学は、自分ならまず受かるだろう」と思っていても、場合によっては不合格になってしまうことがあります。そのため、過度な油断は禁物です。滑り止めの大学についても直近3年分ほどの過去問には目を通し、「どんな問題が出題されているか」「きちんと解くことができるかどうか」を確認しましょう。

また、もし第1志望の大学を受ける前に滑り止めの大学に落ちてしまうと、「これでは本命の大学に受かるわけがない」と落ち込んでしまいやすいです。

ただ、滑り止めの大学が不合格でも、第1志望の大学に合格する可能性はあります。滑り止めの大学と本命の大学の入試傾向は、違うはずです。志望校への対策に集中していると、その大学以外の入試傾向に対応し切れないことがあります。

私も第1志望の大学には合格できたものの、滑り止めとして受験した私立大学4校のうち、2つは落ちてしまいました。滑り止めに落ちてしまったとしても最後まで諦めず、ベストを尽くしましょう。

滑り止めとなる大学の決め方

滑り止めの大学を決めるときには、どう決めれば良いか迷うことがあると思います。「大学のレベル」と「受ける大学の数」に気をつけて、滑り止めとなる大学を決めましょう。

滑り止めにする大学のレベル

滑り止めにする大学を決める際には、「模試の判定」を参考にすると良いです。

模試では志望校を書くと、A判定やB判定などの判定が出ます。滑り止めとして適しているのは、「模試でA~B判定を安定して取れている大学」です。模試では第1志望の大学以外にもさまざまな大学を志望校として記入して、滑り止めを決めるための材料にしましょう。

滑り止めは何校くらい受けるべきか

滑り止めとして受ける大学の数は、3~4校以上だと安心です。

大手予備校・河合塾の場合、模試の合否判定は次のような基準になっています。

A判定:合格の可能性が80%以上
B判定:合格の可能性が65%
C判定:合格の可能性50%

上の確率を言い換えると、「A判定の場合は5校に1校、B判定は5校に2校は不合格になる可能性がある」ということになります。つまりA〜B判定の大学を3校連続して不合格になる可能性は、かなり低いといえます。よって3~4校以上の滑り止めを用意すれば、どれかひとつは合格する可能性が高いです。

もちろん大学の入試を受けるためには費用がかかり、予算の範囲内で受験する必要があります。ただ、目安として「A~B判定の大学を3~4校受験できると良い」ということは覚えておいてください。

また、複数の入試方式で、同じ大学を受験するのもおすすめです。

私立大学は「センター試験の点数のみで合否を判定する方式」「大学が実施する試験で合否を判定する方式」「センター試験と大学が実施する試験を組み合わせて判定する方式」のように、ひとつの学部・学科をさまざまな方式で受験することができます。

どうしても入学したい私立大学がある場合、複数の方式で出願すると良いです。受験費用は高くなるものの、まとめて出願することで割引になる大学もあります。

滑り止めしか合格しなかった場合、入学すべきか

あまり考えたくないことかもしれませんが、「滑り止めの大学しか合格しなかった場合、そこへ入学するべきか」については、前もって考えておくべきです。

滑り止めは「第1志望の大学が不合格の場合に入学する大学」として受験します。しかし本当にその大学しか合格しなかった場合、人によっては滑り止めの大学に入学すべきか、迷うことがあります。

「正直、滑り止めしか合格しないなんて予想していなかった。もう1年浪人として頑張って、第1志望の大学に行くのも良いかもしれない。ただ、やはり受験勉強は大変だから、滑り止めの大学で妥協するべきかもしれない」

滑り止めを軽く考えていると、このようなことになってしまいます。そのため、入学しても楽しく過ごせる大学を、第1志望以外にも考えておくべきです。

私の場合は正直なところ、あまり良くないパターンでした。

私は現役で第1志望の大学に落ち、滑り止めの私立大学へ入学しました。両親に入学金を支払ってもらい、教材を買ってもらい、下宿もさせてもらいました。しかしやはり大学へ通い始めてからも納得できない時期が続き、結局2ヶ月で辞めてしまいました。そして結局、浪人へ逆戻りしました。このときは両親に泣きながら謝ったのを覚えています。ただ、浪人では何とか第1志望に合格できました。

滑り止めについてしっかり考えていないと、私のようになってしまいます。受験生は「偏差値」で大学を判断してしまうことが多いです。ただ、「最先端の研究を行っている大学」や「就職支援に力を入れている大学」など、それぞれの大学に良いところがあります。

自分が狙える範囲で「偏差値が最も高い大学」を目指すのも良いですが、滑り止めとして受けられる大学でも、魅力的な学校はあるはずです。視野を広げて、さまざまな大学の特徴をチェックしてみてください。すると「こんな大学もあるのか」と、興味の湧くところも見つかるはずです。こうした大学を滑り止めにすれば、万が一第1志望の大学に落ちても、納得して入学できるはずです。

滑り止めを確定させるには「入学金」を払う必要がある

滑り止めの大学を受けて合格した場合、大学が指定する期限までに入学金を支払わないと合格が取り消しになってしまいます。入学金は多くの場合、20~30万円ほどです。大学によってはこれより高い場合もあります。

たとえば国立のA大学が第1志望の場合に、滑り止めとして私立のB大学を受験したとします。B大学に合格した場合、A大学の二次試験前に入学金を支払わないと、合格が取り消しになることが多いです。

私立B大学の入学金を支払って国立A大学へ合格した場合、B大学への入学は辞退することになります。この場合、B大学へ支払った入学金は戻ってきません。つまり滑り止めを確定させるために支払った20~30万円は、無駄なお金として消えてしまうのです。

また、私立B大学の入学金がもったいなくて支払わず、国立A大学の二次試験で落ちてしまった場合は滑り止めがなく、浪人が決定してしまいます。

もちろん理想は「滑り止めを受けずに、国立のA大学へ合格する」というパターンです。ただ、滑り止めがないと、精神的なプレッシャーはとても大きくなります。

滑り止めの大学へ支払う入学金は、「必要な費用」として準備しておくべきです。入学金は高額でもったいなく感じますが、仕方のない面があるのです。

滑り止めは、きちんと考えよう

ここでは「滑り止めの大学について、気をつけるべきこと」を紹介しました。

大学受験はもちろんですが、絶対に第1志望の大学へ入るつもりで勉強するべきです。ただし現実問題として、希望の大学が不合格になってしまうことはあります。万が一のために、この場合についても考えておく必要があるのです。あまり考えたくないことかもしれませんが、滑り止めについてしっかり考えると、より集中して第1志望の大学を目指せるようになります。

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