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物理は苦手にしている人が多い科目です。センター試験で物理が必要な場合、「正しい方法」で対策をする必要があります。
ただ、場合によっては「どうやって物理の対策をすれば良いか分からない」と迷うことがあると思います。そこでここでは、「センター物理の勉強法と、対策のポイント」について紹介します。
なお、偏差値・点数アップに直結するおすすめの教材を、別ページで紹介しています。こちらも合わせて参考にしてください(親子で相談するのがおすすめです)。
センター物理の傾向と対策
センター試験の物理には、次のような特徴や傾向があります。対策をするときの参考にしてください。
「物理基礎」と「物理」のレベル
センター試験の物理は「物理基礎」と「物理」に分かれています。レベルの目安は、物理基礎の場合「教科書レベルの基本的な内容」であり、物理は「高校内容の基礎~標準レベル」です。
「物理のエッセンス」という定番の参考書でいうと、物理基礎は「*」マークなしの問題と例題レベル、物理は「**」を除く、「*」までのレベルと考えてください。
上位の大学では、物理が必要な場合が多いです。物理基礎が選択可能な場合は勉強量が少なくて済みます。
ちなみに河合塾のデータによると、2013年度以降の「物理」における平均点は、次のようになっています。
年度 | 物理の平均点 |
---|---|
2017 | 62.9 |
2016 | 61.7 |
2015 | 64.3 |
2014 | 61.6 |
2013 | 62.7 |
上のように平均点はあまり大きく変動しておらず、例年の難易度が今後も続くと予想できます。
各分野から、まんべんなく出題される
センター試験の物理基礎・物理の問題は、各分野からまんべんなく出題されます。問題レベルは基礎~標準であるものの、力学・波動・電気・熱・原子それぞれの分野について、手を抜かずに対策しておく必要があります。
計算はシンプル。「現象をイメージできること」がポイント
物理では「物体が転がる」「レンズに光を当てる」など、何らかの「現象」を扱います。まずは「どんな現象が起きているのか」を頭でイメージする習慣をつけてください。
物理は理系科目であり、数学と同じように「公式に当てはめれば、問題を解けるだろう」と考えることがあります。確かに物理にはさまざまな公式があり、これらを使って問題を解きます。
ただ、数学よりも「どんな場合に、どの公式を、どう使うのか」を理解することが大切です。
たとえば物体が加速度をもって運動していたら、「運動方程式」を立てることができます。また、物体がなめらかな斜面を転がって飛んでいく問題なら、「エネルギー保存則」を使える場合が多いです。
やみくもに公式へ当てはめても、間違ってしまうことが多いです。物理は「公式の使い方」をきちんと理解する必要があるのです。逆にいえばこれを理解すれば、センター物理の計算は比較的シンプルです。「この問題では、こういう現象が起きている」ということが分かって式を作ることができれば、すっと問題を解くことができます。
センター試験の物理は、「現象をイメージして、どうやって式を立てるか」までが勝負と考えてください。
これを各分野でできるようになれば、センター物理で60点や70点という点数ではなく、一気に80点や90点台まで伸ばすことができます。「起きている現象を式で表す」ということは物理の本質であり、応用が利くようになるからです。
「図」「表」「グラフ」が必ず出てくる
物理基礎・物理とも、必ず問題文とともに「図」「表」「グラフ」が出てきます。
多くの人は慣れない図やグラフなどを見ると、「何だこれは!」と動揺してしまいがちです。しかしセンターの物理基礎・物理は、きちんと問題文を読めば理解できることが多いです。「図・表・グラフは出るのが当たり前。前もって慣れておく」という意識をもつと良いです。
センター試験に対応するための参考書・問題集
最初にお伝えしておくと物理が苦手な場合、「教科書」や「セミナー物理」などを使うのはおすすめしません。単純に、分かりにくいからです。
セミナー物理に関しては問題が充実しており、質も良いです。ですが解説が不十分で、「なぜその公式を使うのか」を理解しにくいです。
物理はきちんと「理屈」を理解していないと、いくら問題を解いても実力が上がりません。基礎力がついてからでないと、「たくさん問題を解いて慣れる」という勉強方法は意味がないのです。
そのため以下では、「公式の使い方」や「イメージ」への理解を深められる参考書を紹介します。これらをきちんと身につけることで、センター試験レベルの問題はすっきりと解けるようになります。
物理のエッセンス(河合出版)
物理のエッセンスは当サイトでも積極的におすすめしている、定番の参考書です。基本レベルからていねいに解説されているものの、到達点はとても高いです。もちろんセンター試験対策にも適しています。
物理のエッセンスは問題レベルが分けられています。物理基礎を選択する場合は「マークなし」の問題だけをマスターすれば大丈夫です。物理の場合は「*」までの問題を解けばセンターは十分です。
問題を解くときには、「この問題は、こういう現象が起きているから、この公式を使うんだ」のように考えてください。つまり上でもお伝えしたように、「何が起きているかイメージして、それを式で表す」という流れで式を作ります。
物理のエッセンスの「マークなし」と「*」の問題は基本的ですが、とても本質を突いています。何度も解くことでスルメのように理解が深まるため、3~5回は復習してしっかり身につけることをおすすめします。
物理のエッセンスは「力学・波動」「電気・熱・原子」の2冊に分かれています。
橋元流・解法の大原則(学研教育出版)
物理のエッセンスと並んで人気の高い物理参考書が「橋元流」です。私も以前は物理がとても苦手で、まずは橋元流を読みました。橋元流・解法の大原則は「橋元淳一郎先生」という、人気の予備校講師が執筆しています。
橋元流は完全に会話調の「参考書」で、扱う問題数は少ないです。そのため問題を「解く」というよりも、「読む」という感じで進めることができます。
橋元流は気軽に読めるものの、問題を通して「現象をイメージする力」を身につけることができます。これは物理において、とても大切な力です。
私も塾講師時代によく「物理はイメージが大切」と生徒に伝えていましたが、これは橋元流の影響を受けています。
橋元流も物理のエッセンスと同じく、「力学・波導」「電気・熱・原子」の2冊に分かれています。これらを読んでから、物理のエッセンスへ進むのも良いです。
「橋元のはじめからていねいに」シリーズ(東進ブックス)
上の橋元流・解法の大原則と同じく、橋元淳一郎先生が執筆した参考書です。同じ先生の教材なので、基本的なテイストは橋元流と似ています。ただ、構成などが違うため、書店で両方を確認して、使いやすいほうで学ぶと良いです。こちらも会話調で分かりやすく、物理のイメージをつかむために最適です。
宇宙一わかりやすい高校物理
宇宙一わかりやすい高校物理は「イラストや図解」を多用した参考書です。初心者でも理解しやすくなっており、イラストが可愛いため、物理の堅苦しさを感じずに学ぶことができます。物理のエッセンスや橋元流で十分しっかり学べますが、とっつきやすさの面ではこちらがおすすめです。宇宙一わかりやすいかは分かりませんが、とても良い参考書です。
スタディサプリの物理講座・センター対策講座
スマホで予備校講師の動画授業を見ることができる「スタディサプリ」もおすすめです。
参考書や問題集の場合、自分で理解して学ぶ必要があります。これに対してスタディサプリの場合は、動画を見れば講師が説明してくれます。そのため本を活用しての独学が苦手な場合におすすめです。
スタディサプリは講座のレベルが3段階に分かれています。スタンダード・ハイレベル・トップレベルがありますが、センター試験レベルの基礎固めをしたい場合は「スタンダード」がおすすめです。
また、センター試験のポイントを学びたい場合は、「センター対策講座」も確認しておくと良いです。基礎を身につけたあとに学習すると、より効果が高まります。
スタディサプリは月1,078円(税込)で利用でき、費用的にとても安いです。サブの教材として活用するのも良いでしょう。最初に14日間の無料おためしができるため、興味が湧いたら使ってみるのはおすすめです(※無料期間は申込日が1日目)。
基礎を固めたら、過去問・予想問題を解く
上の参考書などを3~5回ほど復習して基礎を固めたら、センター試験の過去問・予想問題集で問題演習をします。
物理の「公式の使い方」や「現象へのイメージ」を固めることができていれば、スムーズに問題を解き進めることができるはずです。問題を解きながら、センター特有の図やグラフに慣れましょう。もしつまずく部分があれば、参考書に戻ってやり直しましょう。
センター試験はどの教科も、問題数が多い傾向にあります。ただし物理の場合はきちんと基礎を固めていれば、時間が足りないと感じることは少ないはずです。もし時間が短く感じる場合は、まだあやふやな部分があるということです。
センター模試を受けながら3~5回分ほどの過去問・予想問題集を解いていると、だんだんとセンターの問題に慣れてくるはずです。目標とする点数を取れるようになるまで、参考書の復習と問題演習を繰り返しましょう。
基本をしっかり押さえれば、センター物理で得点できる
ここでは「センター物理の勉強法と対策のポイント」について紹介しました。公式の使い方や現象についてのイメージをもつことができれば、センター試験の物理はスムーズに解くことができます。原理が分かっていれば複雑な計算をすることなく解けるため、得点源にすることも可能です。紹介した参考書を繰り返し解いて基礎を固めて、問題演習をしてください。