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当たり前ですが、子供が大学に入学して勉強を続けるにはお金が必要です。大学の学費は高く、入学時にかかる費用だけでも80~150万円ほど、また、国公立大学の1年間の授業料は約50万円、私立大学は約100万円です。
こうした費用のやり繰りに役立つのが、「奨学金」と「教育ローン」です。どちらもお金を借りることができる制度、サービスですが、それぞれで違いがあります。2つの特徴を把握して、目的に合ったほうを選ぶことが大切です。
ここでは、奨学金と教育ローンの違いについて紹介します。
奨学金と教育ローンの違い
最初に、奨学金と教育ローンの違いを表にまとめました。まずは概要を確認してください。
奨学金 | 教育ローン | |
---|---|---|
借りる人 | 子供 | 親 |
お金の入金 | 毎月一定額が振込まれる | 申込み後2〜3週間で一括振込み |
利息 | 在学中は無利息 | 借りた日の翌日から発生 |
返済スタート | 大学卒業後 | お金を借りた月の翌月 |
ここから、奨学金と教育ローンをそれぞれ説明していきます。
教育ローンの特徴は「一括入金」
教育ローンの大きな特徴は、「借りるお金が一括で入金される」ということです。奨学金は毎月支給されるのに対して教育ローンでは一括でお金を借りることができるため、まとまったお金が必要なときに役立ちます。
とくに教育ローンを使いやすいのが「入学時」です。入学時には「初年度納付金」という費用を大学に支払う必要があります。これは「大学への入学金と、1年目の授業料を合わせた費用」です。
初年度納付金は
国公立大学:80~90万円
私立大学:110万円~150万円
が相場です。理系より文系のほうが使用する設備が少ないため、安い傾向にあります。ただ、文系・理系どちらにしても、費用はかなり高額です。
貯蓄で用意ができている場合は問題ありませんが、支払いが難しい場合は教育ローンを利用すると良いです。教育ローンを利用すると一括でお金を借りることができるため、初年度納付金の支払いに充てることができます。
教育ローンには「国」と「民間」のものがある
教育ローンは大きく3つの種類に分かれています。ひとつは公的(国が提供する)な教育ローンである「日本政策金融公庫」です。2つ目は「銀行が提供する教育ローン」です。さらに3つ目は「信販会社(クレジットカードを発行している会社)が提供する教育ローン」です。銀行と信販会社は「民間企業が提供する教育ローン」としてまとめることができます。
銀行の例としては都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合・ろうきん・JAなどがあります。また、信販会社の例としてはセディナやオリコ、ジャックスなどが教育ローンを提供しています。
これらの特徴を表にまとめました。
国の教育ローン (日本政策金融公庫) |
銀行の教育ローン | 信販会社の教育ローン | |
---|---|---|---|
金利 | 2% | 3〜5% | 5〜10% |
審査 | 厳しい | 甘い | 甘い |
上記の表を見ると分かるように、国の教育ローンは「利息が低いけれど、審査が厳しい」という特徴があります。これに対して民間の教育ローンは「利息は高めだけれど、審査は甘い」です。
できれば国の教育ローンである日本政策金融公庫を利用できると一番良いです。ただ、世帯収入や住宅ローンや自動車ローンの有無によって、審査に落ちてしまうことがあります。この場合は民間の教育ローンを利用することをお勧めします。
教育ローンは受験料を納付した時点(1月下旬)で申請することが大切
教育ローンは1年通して申し込むことができます。ただ、「大学入学の費用を工面しよう」と考える多くの親は、教育ローンを子供の大学合格が決まった時点(私立大学は2月、国公立大学は3月)で申込みします。しかしこれだと駆け込みで申し込む人が多いため、審査にかかる期間が長くなりやすいです。また、審査落ちしてしまう可能性も高くなります。
教育ローンを使おうと考えているなら、できるだけ早めに検討するようにしましょう。そしてできれば、大学入試の受験料を支払う1月下旬には申し込むことをお勧めします。審査が通る場合、日本政策金融公庫なら20日ほどで振込みです。また、民間の教育ローンは2~3週間ほどで振込みです。
奨学金は「毎月入金」されるのが特徴
奨学金は「毎月お金を支給してもらうことができる制度」です。奨学金を利用すると子供が毎月お金を受け取ることができるため、生活費として使うことができます。教育ローンのように一括で入金してもらうことはできないため、初年度納付金などのまとまった支払いには不向きです。
奨学金の返済は子供が大学を卒業して、就職してから始まります。教育ローンは親が返済する必要があるのに対して、奨学金は子供が働き始めてから得る収入の中から返済を行います。
奨学金も教育ローンのように種類があり、独立行政法人(国が運営している法人)である「日本学生支援機構(旧:日本育英会)」と「各大学が設けている奨学金制度」の2つがあります。
また、奨学金は「お金の提供方法」にも種類があります。「貸与型(たいよがた:お金を貸してくれる方式。返済する必要がある)」と「給付型(きゅうふがた:お金をもらえる方式。返済しなくて良い)」があります。
さらに貸与型には、利子が付くタイプと付かないタイプ(無利子)があります。一般的に下の順で申込みの基準が厳しくなっています。
多くの奨学金は「貸与型」です。大学在学中は子供が毎月お金を受け取ることができ、卒業して就職後に返済することになります。日本学生支援機構は貸与型の奨学金ですが、3~12万円ほどのお金を毎月借りることができます。たくさん借りればその分目の前の生活は楽になります。ただ、将来に返済することを考えると、借りる金額は月5万円ほどが適切です。
「給付型」は大学が優秀な学生を対象に設けています。大学は「優秀な学生にはぜひ入学してほしい」と考えています。そのため大学が、学費を免除してくれるのです。また、全額免除か一部免除かは大学によって、もしくは大学が設けている給付型奨学金の内容によります。
また、教育ローンの申込みは日本政策金融公庫や銀行、信販会社に行います。これに対して奨学金は、日本学生支援機構の場合は高校や大学を通して申込みをします。また、各大学の奨学金は大学に申込みをします。
教育ローンと奨学金は併用することができる
教育ローンと奨学金は併用することができます。国の教育ローンである「日本政策金融公庫」と奨学金の「日本学生支援機構(旧:日本育英会)」は組み合わせることが可能です。
組み合わせた場合、教育ローンは親が返済し、奨学金は子供が返済することになります。親子で返済することになるため、きちんと返済していけるかどうかは十分に検討しましょう。
目的に応じて使い分けることが大切
ここでは、教育ローンと奨学金の違いについて紹介しました。最も大きな違いは教育ローンは「一括支給」であるのに対して、奨学金は「毎月支給」であることです。つまり教育ローンは初年度納付金などのまとまった大きなお金の支払いに、奨学金は子供の毎月の生活費に便利なローンであるといえます。
借りる額はできるだけ少なくしたほうが、後々の返済で大変にならずにすみます。お金のやり繰りについて計画を立てて、奨学金を利用するときには子供とも相談して検討することをおすすめします。