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人によっては大学を卒業したあと、「大学院」へ通う場合があります。大学院は「大学のさらに上位の学校」に位置付けられています。大学卒業後は主に「企業へ就職する人」と「大学院へ進学する人」に分かれます。
大学受験期間は、目の前の勉強で手一杯だと思います。ただ、「大学に入学したあと」について知っておくと、より将来を考えやすくなります。
ここでは「大学院がどのような学校なのか」について紹介します。
大学からさらに勉強したい場合、大学院へ
大学院は、大学で学んだことをベースとして、さらに学問を追求するための学校です。大学でも十分に専門的なことを学びますが、大学院ではさらに深いことを学びます。また、自分で「研究テーマ」を設定して、卒業時には研究結果を「論文」として発表します。
文系の場合、論文は日本語で大丈夫ですが、理系は世界に成果を発表するため、英語で論文を書く必要があります。
高校のうちからこうしたことを聞くと、「難しそう」「大変そう」と感じることは多いです。ただ、大学で4年間勉強すると、高い専門知識や英語力が身につきます。大学院へ進学する人は、積極的に「学びたい」という気持ちをもっていることが多いのです。
「修士課程」と「博士課程」がある
大学院には大きく分けて「修士課程」と「博士課程」という2つのコースがあります。修士課程は「マスター」、博士課程は「ドクター」と呼ばれることもあります。
修士課程(マスター) | 博士課程(ドクター) | |
---|---|---|
在籍期間 | 2年間 | 4年間 |
卒業後 | 主に企業へ就職 | 企業へ就職 or 研究者・学者へ |
2つの一番大きな違いは、「在籍する期間」です。修士課程の場合、大学を卒業してからさらに2年間を大学院で学ぶことになります。博士課程の場合は4年間です。
修士課程を卒業した人は、そのあとに企業へ就職する道を選ぶことが多いです。これに対して博士課程を卒業した人は就職の道を選ぶ人もいますが、大学に残って「研究者」や「学者」となる人もいます。
大学には最先端の研究を行っている「教授」がいて、各教授が「研究室」を設けています。大学院を卒業して研究室へ残る場合、教授の「助手」という立場で仕事をすることになります。
理系の場合、修士課程まで進学する人が多い
大学院へ進学する人が多いのは、「理系」です。「全国大学生活協同組合連合会(生協)」という団体が2013年に行ったリサーチでは、「大学院進学が当たり前」と思っている大学生は文系で8.3%、理系で41.9%でした。
文系は4年間の大学生活を経たあと、就職する人が多いです。これに対して理系の場合、4年間の大学生活だけでは十分な専門知識を身につけることができず、大学院の修士課程でさらに2年間学ぶ人が多いです。
理系の人は知識を元にして実験装置や実験器具などを使い、「自分で研究を進められるようになる必要」があります。
理系の場合、大学1年で「教養」と呼ばれる基礎知識を学び、2~3年で専門知識を学びます。また、3年のときに研究を進めるための「基本的な実験の仕方」を学び、4年で本格的な研究を行います。ただ、1年という短い期間では、深い研究を行えないのが実情です。そのため理系は大学院の修士課程へ進学し、2年間、専門テーマを追求するのが一般的となっています。
理系では、「学部卒(がくぶそつ)」「院卒(いんそつ)」という言葉がよく使われます。学部卒は「大学卒業後、大学院へ進まなかった人」を指し、院卒は「大学院まで進学した人」を指します。
各大学では「大学・大学院卒業後の進路」をホームページに掲載しています。大卒と院卒の進路を比べると、理系の場合はやはり院卒(修士課程)のほうが、大手企業や有名企業に就職する例が多いです。
逆に文系は大卒が一般的で、大学院には学者や研究者を目指したい人が進学する傾向にあります。
大学4年のときに「試験」がある
大学院に進学するときには、あらためて大学4年のときに試験があります。これを「院試(いんし)」と呼ぶことがあります。
院試は大学で学ぶことをきちんと理解できていれば正答できることが多く、大学受験ほどハードではありません。同じ大学の大学院へそのまま進学する場合は、ハードルが低めです。
基本は「在籍している大学の大学院」へ、そのまま進学する流れが一般的です。ただ、別の大学院へ進学することもできます。たとえばA大学に通っているときにB大学院の院試を受けて、B大学院へ進学することも可能です。
これを利用して、ハイレベルな大学の大学院へ進学する人もいます。たとえば大学受験では京都大学を目指すことができなかったものの、院試のタイミングで試験勉強を頑張り、京都大学の大学院へ進学するのです。正直なところ京都大学よりも京都大学の大学院へ入学するほうが、ハードルは低めです。
企業への就職活動では、「最終学歴」が注目されやすいです。つまり大卒の場合は卒業した大学が、院卒の場合は大学院を確認されます。将来的に大学院への進学を考える場合、レベルの高い大学院へ入学できれば、最終学歴の印象を良くすることができます。
近年は、以前より学歴社会の傾向が弱まっており、良い大学・大学院を出てさえいれば就職が有利になるわけではありません。ただ実際は大手企業などを中心に、学歴は依然として注目されやすいポイントではあります。最終学歴は、良いに越したことはありません。
「就職」か「大学院進学」かを決める必要がある
大学4年になると、「就職」か「大学院進学」かを決める必要があります。なるべく4年生になるまでに、前もって将来について考えておきましょう。
大学院の試験は一般的に、8月に実施されます。大学院へ進学する場合、大学4年生の春ごろから院試対策の勉強を始めます。就職する場合は4年生になる頃から「就職活動」を始めて、秋頃には就職先となる企業を見つけます。
大学受験をこれから控えている段階では、まだ大学院への進学や就職については、だいたいのイメージで構いません。ただ、今後はこれらについて考える必要があることを覚えておくと、自分の将来に対するイメージが湧きやすくなります。
大学院へ進学する場合、「目的」をもつべき
大学院へ進学する場合は当然ですが、費用がかかります。大学の学費は高額で、国公立大学で年間約50万円、私立大学で年間約100万円がかかります。大学院へ進学すると、さらに2年もしくは4年分の学費が追加で必要になるのです。
つまり大学院に通う場合、両親に金銭面で負担をかけることになります。大学院へ進学するときには、現役で大学へ入学したなら22歳になります。「何となく」という気持ちで大学院への道を選ぶのではなく、「理系なので、大学院でさらに知識と技術を磨いてから就職したい」「興味のあることをさらに学び、将来は研究の道へ進みたい」のように、目的をもって大学院へ進むと良いです。
大学院へ進学する人の中には、「奨学金」を利用する人もいます。この場合、大学院の在籍中は学費を支払う必要がなく、卒業後に企業へ就職したときに、費用を返済することになります。
大学院は「学問をより深く学ぶことができる」というメリットがある一方で、「社会へ出るタイミングが、ほかの人より遅くなる」というデメリットがあります。大学院の修士卒なら卒業時には24歳、博士卒なら26歳です。学部卒の人は22歳で社会に出ることも踏まえて、大学院に進学すべきかについて考えると良いでしょう。
ちなみに、学部卒・修士卒・博士卒で「どれが一番良い」という道はありません。「あなたが今後、何をしたいのか」によって、どの進路が良いのかは変わってきます。文系で「早く社会に出て仕事をしたい」という場合は学部卒が良いですし、理系なら大学院の修士卒が有利です。また、学問を追求したいなら、大学院の博士課程まで進むのがおすすめです。
大学受験の段階から、今後のイメージをもとう
ここでは「大学院」について紹介しました。特に理系は大学院の修士課程を卒業することで、就職が有利になります。もちろん文系でも、学問を追求したい場合には大学院へ進むと良いでしょう。ただし大学院へ通うためには費用が必要なため、今のうちから将来についてのイメージをもっておくと良いです。
大学への入学はひとつのゴールですが、「通過点」という見方もできます。大学入学後の大学院や就職にも目を向けておきましょう。