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近年、大学入試で注目されているのが「TEAP」という英語の資格試験です。TEAPは英検やTOEICと似た「英語の能力を測る試験」であり、入試に導入する大学が増えています。TEAPを受けて高得点を取れば、大学入試の英語で有利になります。
ただ、TEAPは2014年にスタートした、比較的新しい試験です。そのためどのような試験なのか、よく分からないこともあると思います。
そこでここでは「TEAPの特徴や試験内容、対策方法」について、詳しく紹介します。
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TEAPは「大学レベルの英語力」を測る試験
TEAP(Test of English for Academic Purposes)は主に高校3年生を対象(高2から受験可能)としており、「大学で必要となる英語力」を図るための試験となっています。英語の資格試験である英検は、「日本英語検定協会」という団体が作成しています。この日本英語検定協会と、上智大学が共同で開発した試験がTEAPです。
TEAPは「大学での英語活用」を想定した試験内容となっています。
- 英語の資料や文献を読む(リーディング)
- 英語で行われる講義を受ける(リスニング)
- 英語で自分の意見を伝える(スピーキング)
- 英文を書く(ライティング)
大学では授業でこのように英語を使う機会があり、TEAPは高3生の時点でこれらの能力が身についているかを確認するものとなっています。
TEAPは近年、入試に導入する大学が増えています。つまりTEAPで基準となる点数を取ることが出願の条件になっていたり、TEAPの点数が英語試験の点数に換算されたりするのです。
たとえば「南山大学(愛知県)」では全学部全学科で、TEAPで360点以上を得点していると、「英語(外国語)」の試験が満点扱いとなります。また、立命館大学(京都)では、法学部・理工学部を除く全ての学部において、センター試験方式の場合、TEAPで334点以上得点すると英語が満点扱いになります。
これらは2017年9月現在の例で、「各大学がTEAPの点数をどのように扱うか」は、今後も変更される可能性があります。ただ、「今後もTEAPが大学入試で重視される可能性は、とても高い」といえます。
ちなみに近年は「TOEIC」が大学入試で注目されていました。ただ、TOEICは主に「ビジネス現場での英語能力」を試す試験であり、大学受験で学ぶ英語とはズレがありました。TEAPは「より大学入試に即した英語の資格試験」として開発されたのです。
「4技能」がバランス良く評価される
これまでの英語教育では、主に「読む能力(リーディング)」が重視されてきました。大学入試で中心となっているのは「長文」であり、文章を読んで設問に答える形式が一般的でした。
しかし近年はインターネットやさまざまな技術が発達したことで、日本人が海外に行ったり、外国人が日本に来たりする機会が増えています。今後日本では、さらに外国人とのコミュニケーションが増えると予想できます。これを「グローバル化」といいます。
これからもさらに加速するグローバル化に対応するためには、英語のリーディング能力だけを身につけても不十分です。相手の話す英語を聞き取ったり、自分で英語を話したりできる必要があるのです。
こうした流れから、TEAPでは読む・聞く・話す・書くを合わせた「4技能」がバランス良く評価されるようになっています。
- Reading test(R:リーディング)
- Listening test(L:リスニング)
- Writing test(W:ライティング)
- Speaking test(S:スピーキング)
TEAPはこれら4つのテストから構成されており、これらを総合して点数が出されます。
「TEAP」と「TEAP CBT」の2種類がある
TEAPには「TEAP」と「TEAP CBT」という2つの種類があります。TEAP CBTの「CBT」は「Computer Based Testing」の略で、PC(パソコン)を使って試験を受けます。TEAP CBTは「TEAPをベースとした、より実践的な試験」といえます。今後はグローバル化とともに「ITスキル」が重要視されるため、TEAP CBTはこの流れに合わせた試験となっています。
TEAPとTEAP CBTの内容は、次のようになっています。
TEAP | TEAP CBT | |
---|---|---|
テスト形式 | 紙面のテスト | PCでのテスト |
レベル | 英検準2級~準1級 | 英検準2級~準1級 |
点数 | 400点満点 | 800点満点 |
実施回数 | 年3回 | 年2回 |
試験会場 | 全国12都市(※) | 東京・大阪 |
スコアの有効期間 | 取得後2年度 (スコアを取った翌年度・ 翌々年度の入学に利用可能) |
取得後1年度 (スコアを取った年度・翌年度の入学に利用可能) |
料金(税込) | 4技能(RLWS):15,000円 3技能(RLW):10,000円 2技能(RL):6,000円 |
4技能(RLWS):15,000円 2技能(RL):6,000円 |
(※)全国12都市は、札幌・仙台・埼玉・千葉・東京・神奈川・金沢・静岡・名古屋・大阪・広島・福岡。
表のようにTEAP、TEAP CBTのレベルは、「英検準2級~準1級」となっています。そのためこれらのテストで高得点を取るためには、ある程度高い英語能力が必要とされます。
また、「スコア(点数)の有効期間」にも注意してください。TEAPやTEAP CBTは、英検のように「1度取れば大丈夫」というわけではなく、TEAPは2年度、TEAP CBTは1年度で有効期間が切れてしまいます。TEAP・TEAP CBTは最初でお伝えしたように「大学で必要となる英語力を測る試験」です。そのため大学受験を終えたら、TEAPよりもTOEICを取得するほうが良いです。
採用している大学は、TEAPのほうが多い
TEAP CBTは2016年から試験が開始された、まだとても新しい試験です。そのため2017年9月現在、TEAP CBTを導入している大学は東京都内にある7つの私立大学しかありません。
一方でTEAPは2014年からスタートしており、導入する大学が増えています。大学受験に活用するなら、2017年9月現在はTEAPのほうがおすすめです。ただし今後はTEAP CBTについても、導入する大学が増えると予想されます。
「TEAPとTEAP CBTどちらを受けようか迷っている」という場合、まずはTEAPの受験をおすすめします。
また、「気になっている大学や志望校が、TEAPやTEAP CBTを導入しているか」については、TEAPの公式サイトから確認することができます。
>>TEAP・TEAP CBTを入試に採用している大学一覧(TEAP公式サイト)
TEAP・TEAP CBTの対策方法
TEAPやTEAP CBTを大学受験に活かす場合、これらの試験で高得点を取る必要があります。そのためには「どのような問題が、どのような形式で出題されるか」を知り、対策を立てることが必要です。TEAPやTEAP CBTの対策方法を紹介します。
公式サイトで「見本問題」「デモ体験」を確認する
まずはTEAP・TEAP CBTの勉強に取り組めそうかどうかを判断するために、公式サイトで「見本問題」や「デモ体験」を確認しましょう。
TEAP・TEAP CBTそれぞれのホームページでは、試験の問題を確認することができます。また、「問題構成」や「試験時間」も掲載されています。
TEAPは「問題冊子」を見たり、「リスニング音源」を聴いたりすることができます。TEAP CBTはPCで受験するため、「デモ体験」をすることができます。全て無料で利用できます。
>>TEAP問題構成・見本問題
>>TEAP CBTデモ体験
これらを対策に使うというよりは、まず「こんな試験なのか」という感覚をつかんでください。やみくもに勉強を始めるよりも、スムーズに対策を進めることができます。
「対策問題集」を反復する
次に「対策問題集」を購入しましょう。TEAPの傾向に沿った問題集が販売されているため、購入して勉強を進めましょう。
2017年現在、TEAP CBTについては、まだ対策問題集が少ないです。ただ、試験の方式がPCであったとしても、試されるのは英語の知識・活用能力です。TEAP CBTもTEAPの問題をベースにしているため、TEAPの問題集を対策に使うことをおすすめします。
問題集は1度解くだけでなく、何度も反復しましょう。2度、3度と問題を解くことで、知識がしっかりと定着します。TEAPの問題集は「身につけた知識のアウトプット用」であり、知識のインプットには適していません。解けない問題が多い場合、先に文法の参考書や単語帳で知識をつけたり、リスニング教材で英語の聞き取りに慣れる必要があります。
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TEAPを受けて、大学入試を有利に進めよう
ここでは、TEAPの特徴や問題、対策方法について紹介しました。
TEAPは入試に導入する大学が増えているため、高得点を取ることで入試の英語が有利になります。TEAPの問題レベルは英検準2級~準1級であり、きちんとした勉強と問題傾向への対策が必要です。ただ、受験勉強も兼ねてTEAPの対策をすれば、出願の際に大きな武器とすることができます。興味があれば、ぜひTEAPを活用してください。