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家庭教師を検討する場合には、トライや学研などの「家庭教師センター」を利用する方法と、講師と直接契約をする「個人契約」があります。
家庭教師センターを通して講師を紹介してもらうと、センターがサポートをしてくれる反面、料金が高くなりやすいです。講師と個人契約をする場合は講師を探したり、講師と指導内容について相談したりする手間はかかりますが、費用を安く抑えることができます。
料金が安いことは大きなメリットであるため、「個人契約で家庭教師を依頼したい」と考えることはあると思います。ただ、個人契約には気をつけるべき点があります。
ここでは家庭教師の個人契約について、メリット・デメリットを紹介したあと、気を付けるべき点について紹介します。
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家庭教師を個人契約するメリット・デメリット
個人契約で家庭教師を依頼するメリットは、「料金を安くできる」という点です。
「家庭教師のトライ」や「学研の家庭教師」などの家庭教師センターで指導を依頼する場合、高校生の指導には3~5万円の費用がかかるのが一般的です。これに対して個人契約の場合、たとえば時給3,500円で120分の指導を週1回依頼する場合で28,000円です。
もちろんより経験豊富な講師や、有名大学に在籍もしくは卒業した講師に依頼する場合は、個人契約でもより高い金額になることがあります。ただ、それでも家庭教師センターに比べると、料金は安い傾向にあります。これは家庭教師センターの利益となるマージンがないためです。
一方で、家庭教師の個人契約にはデメリットもあります。それは、「講師を探すのが大変」「講師の指導が合わないと、また自分で講師を探す必要がある」ということです。
家庭教師センターを利用すると、担当スタッフが講師を探してくれて、指導をするまでの準備を整えてくれます。また、講師の変更や指導の中で相談したいことが出てきた場合には、センターに相談することができます。つまり家庭教師センターが手間のかかることを家庭の代わりにしてくれるのです。
しかし個人契約の場合、家庭が自分で講師を見つける必要があります。また、もしも講師の指導が合わない場合、また別の講師を探す必要が出てきます。これでは料金を安く抑えられても、大きな手間や時間がかかってしまいます。
このように、個人契約は「良い講師を見つけることができれば、安く家庭教師をお願いできるので良い」といえます。メリットとデメリットを把握して検討することをおすすめします。
個人契約できる家庭教師の見つけ方
個人契約で家庭教師をしてくれる講師を見つけるのは、家庭教師センターよりも大変です。ただ、個人契約をするほうが講師にとっても「時給が高くなる」というメリットがあります。そのため、家庭と講師、お互いが「個人契約で家庭教師をしたい」と考えていることは多いです。最近はインターネットが普及しているため、個人契約が徐々にしやすい環境ができつつあります。
個人契約ができる家庭教師の見つけ方は、大きく分けて3つあります。
- 知人に依頼する。
- インターネットで利用できる「個人契約の家庭教師サービス」を通じて依頼する。
- 「大学の生協」を利用する。
これらについて、詳しく説明します。
知人に依頼する
これまで最も一般的だったのが、知人に依頼する方法です。近所で家庭教師をしてくれる人がいれば、その人に直接お願いをします。
知人に依頼すると簡単に家庭教師をお願いできるため、検討し始めてからすぐに指導をスタートしてもらうことができます。また、近所である分交通費がかかりにくく、費用を一番安く抑えることができます。さらに、連絡も取りやすいというメリットもあります。お互いによく知っていることが多いため、指導に関する要望なども伝えやすいです。
ただ、知人で家庭教師をしてくれる人は少ない場合が多いです。そのため指導をしてくれる人の予定が変わってしまうと、代わりの人を見つけるのが大変です。また、お互いによく知っていることで、逆にだらけた雰囲気での指導になってしまうことがあります。
インターネットで利用できる「家庭教師の個人契約サイト」を通じて依頼する
インターネット上には、「家庭教師の個人契約サイト」があります。全国各地の講師がそのサイトに家庭教師の登録をしており、その中から指導してほしい講師を選んで個人契約をします。
個人契約サイトには相場で1万円ほどの「紹介料」を支払う必要があります。その他の登録料や年会費などは一切かからないため、家庭教師センターより費用を安く抑えることができます。
個人契約サイトは簡素な作りで信頼性が低いものもありますが、ホームページがしっかりとしていて、信頼できるサービスもあります。きちんとした体制で運営されている個人契約サイトなら、利用するのはおすすめです。
家庭教師センターでは、センターのスタッフが講師を選んでくれるため、家庭が自分で講師を選ぶことができません。これに対して個人契約サイトは良いと思った講師を直接的に選ぶことができ、講師との連絡も家庭自身ですることができます。そのため、指導を始めるまでの期間も短くてすみます。早ければ探し始めて3日以内に講師を見つけて、1週間以内には指導を始めるということもできます。
「大学の生協」を利用する
「大学の生協」を利用する方法もあります。各大学の生協は、在籍している学生に対して家庭教師のあっせんをしています。生協を通じて家庭教師を紹介してもらう場合、「紹介料」として最初に相場で1万円ほどの料金を生協に支払う必要があります。それ以降は講師に支払う指導料と交通費のみで良く、講師の時給は生協が一律で決めています。そのため、指導料を安く抑えやすいです。
ただ、生協が設定している指導料は大学ごとに異なります。大学によっては家庭教師センターの月謝とそれほど変わらない料金に設定されている場合があるため、比較して考える必要があります。
たとえば2017年1月の時点で、名古屋大学の料金は次のようになっています(1回120分指導)。
高1・2 | 高3・浪人 | |
---|---|---|
週1回 | 25,000円(3,125円/時間) | 28,000円(3,500円/時間) |
週2回 | 38,000円(2,375円/時間) | 44,000円(2,750円/時間) |
週3回 | 49,000円(2,041円/時間) | 57,000円(2,375円/時間) |
これに対して北海道大学の料金は次のようになっています(1回120分指導)。
高1・2 | 高3・浪人 | |
---|---|---|
週1回 | 16,000円(2,000円/時間) | 17,600円(2,200円/時間) |
週2回 | 32,000円(2,000円/時間) | 35,200円(2,200円/時間) |
週3回 | 48,000円(2,000円/時間) | 52,800円(2,200円/時間) |
このように、北海道大学の学生に家庭教師を依頼する場合は、生協を通したほうが家庭教師センターよりも料金を安く抑えやすいです。名古屋大学の場合は、生協を通してもそれほど安くありません。
生協を通じて家庭教師を紹介してもらう場合、「講師の大学」を指定できるのがメリットです。「この大学の講師に教えてほしい」という希望がある場合、その大学の生協に行くと良いでしょう。
高校生指導の時給相場
個人契約で高校生の指導をお願いする場合、時給の相場は大学生講師で2,000~3,000円です。有名大学や医学部などの講師や指導経験豊富な社会人講師に教えてもらう場合、時給4,000~5,000円になる場合があります。
ただ、120分・週1回(月4回)の指導を時給4,000円でしてもらう場合でも、月謝は28,000円と家庭教師センターの通常コースとほぼ同程度になります。家庭教師センターで高校生の指導を3万円でしてもらう場合は、中堅大学の学生講師に指導してもらえることが多いです。これと比べると、個人契約はやはり料金が安いといえます。
指導料の支払いは「手渡し」もしくは「銀行振り込み」
個人契約の場合、指導料の支払いは「手渡し」もしくは「講師の銀行口座に振込み」ですることが多いです。知人に依頼している場合はお互いに信頼関係があるため、手渡しでも良いでしょう。その他の場合でも手渡しで問題ありませんが、講師と相談した上で振込みが良いのであれば、銀行振り込みで支払いをしましょう。
また、指導料はひと月分の指導を終えたあとの「後払い」になることが多いです。当然ですが指導を受けたにもかかわらず料金を支払わない「未払い」の状態になると、講師からの信頼を失ってトラブルになります。きちんと指導を依頼するときに指導料の「支払日」を決めて、確実に支払うようにしましょう。
テキストは「手持ちのもの」が基本
家庭教師センターで家庭教師を依頼する場合、講師はセンターで研修を受けてから指導に向かいます。そのため講師は基礎的なマナーや指導方法を理解した上で指導します。
これに対して個人契約の場合、指導方法は講師の裁量によります。個人契約をする講師の多くは、最初は家庭教師センターを通じて指導を受けていて、そこから別の指導をするときに個人契約で引き受けます。そのためある程度は、家庭教師センターでの指導経験を経ている人が多いです。
指導に使うテキストは、家庭にある学校の教科書・参考書・問題集などを利用するのが一般的です。家庭が「使う教材を提案してほしい」と思ったときには、講師に相談してみると良いでしょう。大学受験の指導を引き受けられる講師は、おすすめの教材を把握していることが多いです。
この場合は当然ですが、教材の購入費用が別途かかります。講師に教えてもらった教材を書店などで購入して、次回の指導から使ってもらうようにすると良いです。
家庭教師を個人契約する場合の注意点
家庭教師を個人契約する際には、気をつけておくべきことがあります。
- なるべく同性の講師に指導を依頼する。
- 口約束ではなく、契約書を作成する。
- 指導のときには必ず保護者が在宅するようにする。
- 指導後に講師とコミュニケーションをとる。
これらについて説明します。
なるべく同性の講師に指導を依頼する
個人契約で家庭教師を依頼する際には、なるべく同性の講師に指導してもらうほうが良いです。これは講師と子供が恋愛関係になったり、セクハラをしたりするなどのトラブルを防ぐためです。
こうしたことが起きる可能性は低いと考えるかもしれません。しかし万が一のことを考えて、最初から同性の講師で検討することをおすすめします。
指導のときには必ず保護者が在宅するようにする
上の注意点にも関係しますが、講師が指導に来ているときには、保護者が自宅にいるようにしましょう。講師がトイレを借りるふりをしてその場を離れて、指導に関係のない部屋に入る可能性があります。これも可能性としては低いですが、トラブルが起きてからでは遅いため、気をつけておきましょう。
口約束ではなく、契約書を作成する
特に知人に家庭教師を依頼する場合、「よろしくね」とひとこと伝えるような口約束になってしまいやすいです。しかしお金が発生する以上、講師が提供するのは正式な「家庭教師サービス」です。
口約束だけだと、指導が始まってから「最初に伝えたはずなのに」というようなトラブルが起きることがあります。こうしたことがあると、家庭と講師お互いが気持ち良くありません。そのため必ず「契約書」を作成しましょう。そして、講師と契約を交わすときには必ず双方で契約書の内容について確認すると良いです。
契約書は自分で作成しても良いですが、個人契約用に使えるテンプレートを用意しました。講師と個人契約を結ぶときには利用してみてください。
指導前と指導後に、講師とコミュニケーションをとる
個人契約で家庭教師を依頼したら、「あとは講師に任せきり」という場合があります。しかしこれでは、良い指導をしてもらうことはできません。講師と必ずコミュニケーションをとることが大切です。
指導の前には「今日もお願いします」と挨拶して、子供が最近どんな様子なのかについて、軽く説明すると良いです。また、指導のあとには講師からその日の指導内容や子供の様子を聞くようにしましょう。
このように保護者が子供の様子や成績を気にすることで、講師は「しっかりと指導しないといけない」と考えるようになります。もちろん保護者が気にしなくても、講師は責任を持って指導する必要があります。しかし保護者が気にしていないと完全に「講師と子供だけのやり取り」になり、指導にほど良い緊張感がなくなってしまいます。
指導の前後に講師と5~10分ほどのコミュニケーションをとるだけでも、家庭教師の効果は大きく上がります。意識して時間を取ることをおすすめします。
家庭教師センターの講師との個人契約はNG
最後に、トライや学研などの家庭教師センターで紹介してもらった講師に個人契約の提案をするのはやめましょう。これは契約違反になり、場合によってはトラブルに発展してしまうことがあります。
また、家庭教師センターで紹介された講師が、自分の判断で個人契約の提案をしてくることがあります。この提案に応じてしまうことも契約違反になるため、気をつけてください。
家庭教師センターとの契約から個人契約に切り替えると、センターにはお金が支払われなくなり、利益が上がらなくなってしまいます。講師はもともと家庭教師センターが紹介した人です。そのため個人契約に切り替えると、いわば「家庭が家庭教師センターの講師を横取りした」ようになってしまうのです。
また、「予備校に行くことにした」などの理由をつけて家庭教師センターを解約して、個人契約に切り替えるのも良くありません。講師と直接的に連絡を取れる状態にしておけば、家庭教師センター解約後に講師と個人契約をすることは一応は可能です。しかしマナーとして良くないため、行わないことをおすすめします。
個人契約をする場合は十分に確認を!
ここでは、家庭教師の個人契約について紹介してきました。個人契約をすると費用を抑えることができますが、一方で気を付けるべき点があります。紹介したポイントについて十分に確認して個人契約をすれば、安価な費用で良い指導を受けることができます。
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