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英語の「リスニング力」や「前からスムーズに文章を読む力」を高めるために効果的な勉強方法として、「ディクテーション」が挙げられます。ディクテーションは「英語の音声を聞き取り、紙に書き出す練習方法」です。英語をしっかり聞いて実際に書くことで、英語力を伸ばすことができます。
ただしディクテーションはやみくもに書き取りをしても効果を得にくく、「正しい方法」で行う必要があります。ここでは「ディクテーションをどのように行えば良いか分からない」という場合のために、「ディクテーションの効果的な行い方」について紹介します。
ディクテーションは、もちろん大学受験の勉強にも効果的です。ぜひ実践して、英語力をぐっとアップさせてほしいと思います。
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ディクテーションのやり方6ステップ
ディクテーションは「ただ英語を聞いて書き取ればいい」というわけではなく、次の6ステップに従って勉強を進めると良いです。
- 教材を用意する(初心者は易しいものを選ぶ)。
- まずは英文の「訳」と「文章構造」を理解する。
- 書き取りをせず、ひと通り音声を聞く。
- ディクテーションを始める。
- 書き取れる箇所がなくなるまで、繰り返し音声を聞く。
- 聞き取れなかった部分を「分析」する。
初めて英文を聞きながら書き取りをしてみると、とても難しいことに気付くはずです。自己流でやみくもにディクテーションをしても、なかなか力を伸ばせなかったり、途中で挫折しやすかったりします。そのため「正しい手順」に沿ってディクテーションをすることが大切です。
それぞれのステップについて解説します。
1. 教材を用意する(初心者は易しいものを選ぶ)
まずは「ディクテーション用の教材」を準備しましょう。まずは易しいものから取り組むのがおすすめです。
大学受験を見据えて教材を購入する場合、「早く難しい問題に取り組みたい」と考えて、いきなりレベルの高い参考書・問題集を買ってしまうことがあります。
しかしスムーズにディクテーションをできるようになり、英語力アップを目指すなら、最初は易しい教材を使うほうが良いです。高校生でも「中学レベルの英文を扱っている教材」を選ぶと、スムーズにディクテーションを身につけることができます。
また、ディクテーション用の教材には、大きく分けて2つの種類があります。
・「穴埋め式」の教材
上のように、文章の一部が空欄になっていて、その箇所だけを聞き取る方式です。英文全体を聞き取る必要がないため、難易度的には易しいです。
・「全文聞き取り式」の教材
「全文聞き取り式」の教材は、英文を全て聞き取る方式です。ディクテーション用の教材もありますが、CDつきの長文問題集などをディクテーションに使っても良いです。
初心者の場合、まずは「穴埋め式」の教材を使ったり、中学レベルの易しい長文でディクテーションを行ったりして学びましょう。
2. まずは英文の「訳」と「文章構造」を理解する
教材を用意したら、いきなりディクテーションを始めず、まずは文章を読み、「訳」と「文構造」を理解しましょう。全ての文をきちんと理解して、複雑な文については構造を読み取ります。
こうして「精読」をしてからディクテーションを行うと、「何となく書き取る」のではなく、「きちんと意味や文構造を理解して書き取る」ことができるようになります。すると、より英語力が高まりやすくなります。
ディクテーションは「ただ書き取ればいい」というわけではなく、ていねいに行う必要があるのです。
3. 書き取りをせず、ひと通り音声を聞く
訳と文構造を理解できたら、次に英文の音声を聞きましょう。この段階でもまずはディクテーションを始めず、ひと通り学んだ訳などを振り返りながらリスニングします。
これはディクテーションに入る前の、「準備運動」に当たるものです。全体を通して音声を聞くことで、文章全体を意識しながら1文ずつのディクテーションをすることができます。
1~2回ほど全体通して音声を聞いてから、1文ずつの書き取りを始めましょう。
4. ディクテーションを始める
ここからは、本格的にディクテーションを始めます。音声のスピードに追いつきながら書き取ることは難しいため、音声を止めたり、少し前に戻ったりしながら書き進めます。1度で全て書き取れなくても問題なく、何度か繰り返し音声を聞くのが普通です。
訳と文構造を理解して、全体を先にひと通り聞いていると、ある程度ディクテーションを進めやすいはずです。易しい文章でこの一連の流れを行い、ディクテーションに慣れましょう。中学レベルの英文でも自信をもって書き取れるようになると、大きな英語力アップにつながります。
きちんと準備していれば、「まったく書き取れない」ということはないはずです。もし「全然ディクテーションが進まず、難しい」と感じる場合、教材を簡単なものに変えるか、上で紹介した手順を踏めているかをもう1度確認してください。
5. 書き取れる箇所がなくなるまで、繰り返し音声を聞く
こうして2回、3回と音声を聞きながらディクテーションを進めて、「これ以上は書き取れない」という段階まできたら、その英文のディクテーションを終えます。
それまではじっくり音声を聞いて、頑張って書き取りましょう。「書き取りが進むほど、あなたの英語力は高まる」と考えてください。
6. 聞き取れなかった部分を「分析」する
こうしてディクテーションを終えたら、「英文のスクリプト(元の文章)」と「自分が紙に書き取った文章」を見比べて、どのくらいディクテーションができているかチェックしましょう。
書き取れた部分については素直に喜び、「自分でもできるんだ」という自信をもってください。一方、書き取れなかった部分については、きちんと「分析」をしてください。「なぜ書き取れなかったのか」を考えるのです。
- 単語を覚えきれていなかった。
- 文構造を理解しきれていなかった。
- 隣り合う語句がくっつき、発音が聞き取りにくくなっていた。
上のような「原因」を突き止めることができたら、それを聞き取れるように改善する「対策」も見えてくるはずです。
・単語を覚えきれていなかった。
→もう一度、単語を覚え直す。
・文構造を理解しきれていなかった。
→精読をやり直し、文構造を再確認する。
・隣り合う語句がくっつき、発音が聞き取りにくくなっていた。
→音声を反復して聞き、英語特有の発音に慣れる。
ディクテーションを「ただ書くだけ」にしないよう、書き取り終えたら分析をきちんと行いましょう。
各英文で以上の6ステップを繰り返せば、着実にディクテーションを身につけることができ、リスニング力や読解力を高めることができます。
ディクテーションだけでなく、読解やリスニングも大切
ディクテーションは英語の読解力やリスニング力を高めるために効果的ですが、他の方法も合わせて勉強するべきです。文章を読んで意味を理解する「長文読解」や、音声を聞き取って設問に答える「リスニング」、英文を声に出して読む「音読」なども合わせて行いましょう。
国の文部科学省は今後の英語教育で、「4技能(読む・聞く・書く・話す)」をバランス良く重視する方針を打ち出しています。つまり、大学入試でもこの傾向が強まると予想されます。上の勉強方法を組み合わせて行うことで、4技能をまんべんなく伸ばしやすくなります。
ディクテーション用のおすすめ教材
ディクテーション用の教材には、さまざまなものがあります。その中でもおすすめのものを紹介します。
速読英単語CD入門編・必修編(Z会出版)
単語帳として人気のある「速読英単語」は、別売りでCDが販売されています。これをディクテーション用に使うのはおすすめです。
速読英単語は入門編・必修編・上級編があり、多くの受験生が単語帳として使うのは「必修編」です。ただ、ディクテーション用に使うなら、入門編か必修編がおすすめです。入門編に掲載されている英文は読みやすく、初心者の英文書き取り練習に適しています。
また、速読英単語は単語の暗記や長文読解に使うこともできるため、CDを購入することで英語の力を総合的に伸ばすことができます。
ハイパー英語教室中学英語長文 2(入試長文がすらすら読める編)
穴埋め式でディクテーションのトレーニングをしたい場合におすすめなのが「ハイパー英語教室中学英語長文 2(入試長文がすらすら読める編)」です。
高校受験レベル用の教材で、120~200語程度の英文を段階的に学ぶ構成となっています。大学受験用にディクテーションの練習をするには、ちょうど良いです。英文レベルが易しく、部分的に聞き取れば良いため、初心者でも無理なく進めることができます。
スタディサプリEnglish
単語・文法・ディクテーション・リスニングを、総合的かつステップを踏んで学ぶなら、リクルートの「スタディサプリEnglish」もおすすめです。
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ディクテーションを取り入れて、英語力を伸ばそう
ここでは「ディクテーションの行い方」について紹介しました。6ステップの手順を踏んで基礎から練習すれば、きっとディクテーションをスムーズに行うことができ、リスニング力や読解力アップにつながるはずです。紹介した教材も参考にして、しっかり英語を学んでください。